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コロナの影響が大きく出た「REIT(リート)」の今後の見通しと不動産価格への影響は?

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コロナの影響が大きく出た「REIT(リート)」の今後の見通しと不動産価格への影響は?

不動産投資のような安定した利回りと、株のような売り買いのしやすさが特徴の「REIT(リート)」。

不動産投資同様に注目を集めてきていたが、コロナの影響がここにも出てきています。

銘柄によっては分配金が大幅減少するなどの影響がみられ、REIT価格が下落している状態です。

今日は、「REIT」の基礎知識とコロナ後の市場予測をピックアップ!

不動産価格への影響なども確認していきましょう。

「REIT」とは

REITとは「不動産投資信託(Real Estate Investment Trust)」のこと。

実物不動産を保有しているREIT(投資法人)に投資することで運用利益を得られる仕組みです。

株式投資では「株券」を買いますが、REITでは「投資口」を買うことで、間接的に不動産を買うというスキームになっています。分配金は不動産の賃料で、投資口の保有数に応じて受け取ることができます。

大規模なオフィスビルなどは購入費用や建設費用が多額すぎて一般の投資家では到底手が出せないところを小口化し、実物不動産を建てて投資家からお金を集めるという方法です。

ちなみに、J-REIT(日本におけるREIT)物件で最大のオフィスビルは「六本木ヒルズ」です。

コロナの影響を大きくうけた「REIT」。不動産への影響は?

2001年に投資法人が出来てから、順調に市場を伸ばしてきたREITですが、現在はコロナの影響で市場が大荒れしている状況です。

分配金が大幅に減少するなどが起こっているいま、実物不動産の価格にもこの波及するのではと投資家たちから心配の声も上がっています。

影響を受けやすいREITとそうでないREITに違いはあるのでしょうか。

まず、REITの代表的な銘柄を確認してみましょう。

REITの代表的な銘柄

どんな物件を保有するかはREITごとに方針が異なりますが、基本的には


・ホテル系……ジャパン・ホテル・リート投資法人、インヴィンシブル投資法人
・商業施設系……日本リテールファンド投資法人、イオンリート投資法人
・オフィスビル系……ジャパンリアルエステイト投資法人、日本ビルファンド投資法人、
・住居系……コンフォリア・レジデンシャル投資法人
・その他……地域特化型、複合系、ヘルスケア特化型など

上記銘柄が代表的です。

ここで注目しておきたいのがそれぞれの「賃料」です。

「固定賃料」と「変動賃料」

通常の住居賃料などは基本的に「固定賃料」であるのに対し、ホテルや商業施設は「固定賃料」と「変動賃料」の二段階に設定されています。

毎月の固定賃料のほか、売上の変動に合わせて変動賃料を支払っている物件もあります。

固定賃料と変動賃料の違いは、簡単に言うと下記の通りです。

【固定賃料】:毎月固定の金額で賃料が変動しない
【変動賃料】:売上などに応じて賃料が変動する

特に、ホテルや宿泊施設のREITは「変動賃料」の割合が大きいです。なかには80%以上が変動賃料の場合もあります。

影響を受けやすいREITと受けにくいREIT

この固定賃料と変動賃料を踏まえたうえで、影響を受けやすいREITとそうでないREITを確認してみましょう。

ホテル系のREITはインバウンド需要などがあり、高利回り銘柄が多かったのが特徴ですが、此度のコロナショックで稼働率は劇的に低下してしまいました。

現状、ホテル系のREITが影響を受けている状態ですが、他にも東京オリンピックに向けた宿泊施設の供給も増え続けているため、今後ますます厳しい展開になっていくことが予想されています。

もちろん、好景気なときはアップサイドと呼ばれ銘柄人気も高まりますが、売上が大幅に減少すると(ダウンサイド)、もろにREIT市場に影響するといってもいいでしょう。

反対に、影響を受けにくいREITと言えば、やはり住居系のREITです。ホテルなどに比べて利回りは低い傾向にありますが、基本的には安定した分配が継続、期待されています。

そして現在人気を集め、追い風を受けているのが物流施設系REITです。

大規模なコンテナ(トラック)系は建物のコスト(メンテナンスや内装)がほとんどかからないうえに、ネット通販の需要が高まっていることなどが理由に挙げられます。

コロナ後はどう動く?「REIT」市場の今後の見通し

さて、コロナ前まではバブルと言われるほど順調だったREITですが、大打撃を受けて底を見ている今、アフターコロナ後の市場が気になるとこです。

現在はホテルや商業施設系が大きな影響を受けていますが、住居やオフィスビル、物流系にはほとんど影響が出ていません。

ですが、ライフスタイルやワークスタイルが大きく変動しているなかで、今後オフィス系に影響がないとも限りませんし、逆にウイルスと共存可能な状態になればホテル系もじわじわ回復を見せ始めるでしょう。もちろんそこには物件やエリアによっても状況が変わってきます。

REITは中長期的な戦略を立てながら、複数の銘柄を選ぶことが大切になってきます。

先の見えない状況だからこそ、信頼のおけるベテラン不動産投資アドバイザーの力を借りてシミュレーションし直すなどの工夫が必要です。

不動産投資業界の流れと株式市場も合わせて確認しつつ、中長期的な配当を中心に相談をしてみることをオススメします。


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