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退職金を投資に回してOK?退職金の正しい使い方と資産運用のコツ

50~60代お金ご夫婦相談◎リスクに備える基礎を学ぶ老後資金運用方法

退職金を投資に回してOK?退職金の正しい使い方と資産運用のコツ

将来のために資産形成をしておきたいと考えていても、今は生活するのに精いっぱいだから余裕がないと考えてるうちに定年を迎えてしまったという方もいるかもしれません。

そのような人の中には、「退職金が入るから問題ないだろう」と考える人もいることでしょう。

しかし、大きな資金を得たからといって闇雲に使ってしまうのは危険です。金融機関の営業マンなどにすすめられたことにより、慣れない投資に手を出して、退職金を減らしてしまう、または失くしてしまう人は少なくないからです。

今回は、退職金はどのように使うのがよいのか、投資すべきなのかというテーマを中心に、退職金を利用する際のおすすめの投資手法や、退職金投資で失敗する理由などを解説していきます。

退職金はどうするのが正解?

サラリーマンや会社勤めの人であれば、定年まで勤めた後に退職金を貰えるケースが多いです。最近では退職金の支給率も下がってきているとはいえ、大企業や経営が潤沢な中小企業では退職金制度は根強く残っています。

定年後の生活を考えて「退職金を増やすために資産運用を始めるぞ!」など投資を視野に入れている人もいると思いますが、実はここに落とし穴があるのです。世の中では慣れない投資に手を出して、退職金を減らしてしまう人も珍しくありません。

減らすだけならまだしも、退職金の全てを失い老後破産するケースもあります。そうはいっても、退職金を全額貯蓄しておくのも勿体ない気がすると感じる方もいるでしょう。そのような人はまず「貯蓄」と「運用」について学んでおく必要があります。

貯蓄と運用の違いについて

まず、貯蓄と運用は全く別のものだということを押さえておきましょう。貯蓄は、今現在あるお金を使わずに残しておくもので、運用はお金を使ってさらにお金を増やす、動かすなどの流動性があるのが特徴です。

貯蓄はノーリスクノーリターンで、貯めた分だけ減りも増えもしません。一方で運用の場合はリスクが伴いますので、元本よりも資産がマイナスになってしまう場合もあります。

しかし、運用をうまく行えば資産を増やすことができます。近年は昔のように金融機関に貯金をしていれば利息がつく時代ではありません。超低金利時代の昨今、平均利率は約0.001%ともいわれており、金融機関に資金を預けておいたとしても、ほとんど元本は増えないと思った方がよいでしょう。

老後を迎えるまでは貯蓄と運用のバランスが何よりも大事です。いずれかどちらかだけでなく、双方のバランスを取りながら貯めることと運用することに意識を向けていきましょう。

退職金は運用すべき?

貯蓄しているだけではほとんど資産を増やすことができません。それでは退職金は運用すべきなのでしょうか。

結論からいうと退職金は運用するのが好ましいでしょう。

理由としては2つあります。1つ目は、退職金の金額は年々減少しているという現実があるからです

以下は、厚生労働省が発表している就労条件総合調査に記されている、退職金の平均給付額を年別にまとめたものです。

上の表によると、大学・大学院卒と高校卒どちらも、15年前と比べて退職金の平均給付額
が減少しています。この傾向から推測するに、今後はますます退職金の給付額が減少する可能性が高いといえます。

また、退職金の給付額が減少傾向であることに加え、人口の平均寿命が伸びているという点も、退職金を運用した方がよい理由にあたります。

(内閣府:「平均寿命の推移」)

上の図は内閣府が発表した、日本人の平均寿命の推移を表したものです。
1950年から平均寿命は上昇傾向にあり、今後もさらに平均寿命は伸びるであろうと予測されています。

平均寿命が伸びていく一方で、退職金の給付額は減少しているということは、長く生きれば生きるほど、生活の余裕はなくなっていく可能性があります。

そのため、退職金を貯蓄して日々の生活で切り崩していくというよりも、運用して少しずつでも資産を増やしていくことが望ましいといえるでしょう。

退職金のおすすめ運用方法

退職金は投資して資産運用した方がよいということが分かったので、ここからはおすすめの運用方法について解説していきます。

不動産投資

まず1つ目は不動産投資です。

不動産投資とは、投資用不動産を購入し、それを第三者に貸し出すことで家賃収入といった形で収益を得ることを目的とする投資手法です。

不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資といわれており、すぐに大きな利益を得られるわけではないですが、長期的に安定した収益を確保していける魅力があります。

また、金融商材は景気の影響を受けやすく、価格の変動が激しい特徴がありますですが、不動産は比較的に価格が安定しており、資産価値が暴落するといったことは起こりにくいといえます。

さらに、不動産投資には相続税の節税効果もあります。不動産は金融資産と異なり、相続時の固定資産税評価額により税額が計算されるので、物件の購入価格よりも低い価値で評価されます。それに伴い課税額も下がるといったわけです。

投資信託

続いて投資信託です。

投資信託とは、複数の投資家が預けた資金を投資のプロであるファンドが運用し、その成果に応じて資金を再分配する仕組みです。
株式投資のように1つの銘柄に集中投資するわけではないので、リスク分散も期待できるでしょう。

また、投資信託は「つみたてNISA」の仕組みを利用することができ、少額から始めることができるのに加え、最長20年間は収益が非課税であるというメリットがあります。

個人向け国債

3つ目は個人向け国債です。

個人向け国債とは国から個人に向けて発行される債券のことであり、債券を購入することは国にお金を貸すということになります。お金を貸すわけですので、国からは定期的に利子が支払われます。

個人向け国債は、満期になれば元本の返済を受けることが可能であり、元本保証もついているので、リスクは低いといえるでしょう。仕組みとしては定期預金に最も近い運用方法だといえます。

退職金投資で失敗する理由

金額は人によってですが、これまでにないような大きな資金が手に入る退職金。いざ投資をやろうとしても、その方法を誤ると減らすどころか、退職金破産なんてこともあり得ます。

退職金がなくなっても今後の生活に一切支障がないという人ならよいですが、そうでなければ、退職金の使い方に対して慎重になった方がよいです。

ここからは退職金投資で失敗してしまう人にありがちな理由について紹介していきます。

ハイリスク・ハイリターンの投資を選ぶ

老後の資産運用に関しては特に、ハイリスク・ハイリターンの投資手法は避けるべきだといえます。特に売買による差益を狙う、株式投資、FX、仮想通貨などは要注意です。

これらの投資手法は成功した場合、短期間で大きな利益を得られますが、失敗したら一瞬で大金を失うこともあります。特に定年退職後の方は、また働いて自己資金を捻出するということができないので、危ない橋は渡らないことをおすすめします。

老後資金は、いかに元本を維持したまま、少しずつでもいいので資産を増やしていけるかが大切だといえます。

悪徳業者や金融機関の営業マンに騙される

特に投資経験が浅い初心者がやりがちなのが、退職金の使い道について保険会社や証券会社に相談しにいくということです。悪徳な業者の場合、丁寧に最善の方法を教えてくれることはおろか、自社商品の提案を積極的に行います。

退職金の使い道として営業マンがすすめる商品の例として「外貨建て保険」があります。外貨建て保険とは、払い込んだ保険料が外貨で運用される保険商品のことです。なぜ、営業マンが外貨建て保険をすすめるのかというと、外貨建て保険は利回りがよく、元本保証があるからです。

一見、見栄えのいい商品に見えますが、何も知らない初心者は騙されやすいのです。なぜなら利回りがよくて元本保証が可能なのは、日本円よりも利回りのいいドルなどの外貨建てに限ったことであり、為替相場次第ですが、日本円では元本割れしてしまうこともあるのです。これを知らずに退職金や大金をつぎ込んで困っている人が数多く存在します。

営業マンは自分のノルマもあるため、商品のメリットを前面に押し出しますが、あくまで投資なのでリスクのない商品は存在しません。投資商品を購入するのであれば、リスクがあることを念頭に置き、金融機関の担当者に「この商品のリスクはなんですか?」と聞く必要があります

もし、業者に相談するのであれば、自分が納得できるまで疑問やリスクについて質問すべきであり、営業マンが信頼できるかどうかも判断することが大切です。

また、他人の言ったことを何でも鵜呑みにするのは、投資をする上で危険です。1から100まで営業マンに聞くのではなく、自ら積極的に投資に関わる知識を取り入れることを心がけましょう。

退職金投資で失敗しないために

退職金はまとまった金額であり、老後の資産形成にも使いやすいお金です。だからこそ、「理解できない商品には、お金を出さない」という気持ちで退職金を運用しなければいけません。

決して退職金で資産運用するなということではなく、堅実であるかつリスク回避をしやすい方法を選ぶことを意識しましょう。

資産運用がしたい初心者に付け込んだおいしい話は鵜呑みにせず、必ず自分でも正しい知識を身につけながら納得いくまで運用方法を検討することが大切です。

最後に

今回は退職金の正しい使い方や、おすすめの運用方法、退職金投資で失敗しない方法などについて解説してきました。

退職金を使って資産運用をしたいと考えているのであれば、入念な情報収集と計画が大切です。老後は医療費や介護費用など想定していなかった出費が発生する可能性が高いといえます。決して、ギャンブルのような感覚で資産を増やそうなどとは思わないでください。

もし、自分の老後の資産形成が不安な場合は、ファイナンシャルプランナーや不動産投資アドバイザーにライフプランの設計相談をしてみるといいでしょう。


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