不動産投資をもっと知る
「資産」として不動産を考える。現物資産と金融資産の違いとは
不動産投資投資資産資産形成
老後や将来のためにできるだけ早いうちから、資産形成を始めたほうが良いと聞いたことはありませんか?現在では資産形成をする人向けの様々な金融商品やサービスが世の中に出回っています。
このように資産形成の手段は1つだけではありません。保有する資金や資産などに合わせて自由に選択することが可能です。また、資産には現物資産と金融資産が存在し、それぞれの特徴があります。
この記事では、不動産投資なども含めた現物資産と金融資産の違いやそれぞれのメリット・デメリットに加え、不動産の資産としての特徴について詳しく解説していきます。
記事INDEX
「資産」にはどんなものがある?
資産運用や資産形成、総資産など「資産」という言葉自体はよく耳にしたことがあるでしょう。「資産」とは個人または法人の所有する金銭や土地、建物など金銭に変えられるものの総称です。
一口に資産形成や投資といっても、株式や債券、不動産など、それ以外にも多数の種類や方法があります。
その中から様々な手段を組み合わせ、老後の資金や収入の柱にしていくことが資産形成の目的となります。
まずは、資産の種類と特徴について知るところから始めてみましょう。
現物資産と金融資産
資産は現物資産と金融資産にわけることができます。そこにあるだけで価値のあるものを現物資産といい、保有だけでは意味がなく、売買などによって価値が生まれるものを金融資産といいます。
どちらも金銭によって獲得できるものであるものの、特性はそれぞれ異なるといえるでしょう。例えば、資産の割合として金融資産と現物資産のバランスが50%ずつであれば、どちらかがマイナスの影響を受けたとしても全ての資産価値が一方的に減少する可能性を低くすることが可能です。
現物資産のメリット・デメリット
代表的な現物資産には以下が該当します。
☑不動産
☑金(銀・プラチナ)
☑美術品
上記以外にも、保有することことで一定の価値が生まれる資産であれば全て現物資産といえるでしょう。
現物資産のメリット
・長期にかけて運用できる
現物資産は比較的、価格変動が激しくないため、不況にも強い特性があります。また不動産投資は、長期的に資産を形成していくことを目的としたミドルリスク・ミドルリターンの投資手法であり、人に貸し出している限り、安定した家賃収入を手にし続けることが可能です。
・節税に向いている
例えば、不動産を相続する場合は、金融資産よりも課税額を減らすことが可能です。不動産は、資産の価値を特別な評価方法で算出するため、金融資産を相続する場合よりも評価額を3~4割減することができるのです。
・インフレに強い
インフレとは金銭の価値が下がり、モノの価値が上がることです。現物資産はモノに区分されるため、インフレ時に価値があがりやすいといえます。預貯金や現金はインフレ時に目減りしてしまうので、インフレ状態では現物資産を持っている方が有利といえるでしょう。
現物資産のデメリット
・保有するだけでコストがかかる
特に不動産ですが、不動産を持っているだけで、修繕費や不動産会社への管理委託料に加え、固定資産税や都市計画税といった各種税金を支払う必要があります。
・流動性が低い
金融資産は市場で換金すればすぐに現金化ができ、手続きも簡単です。一方で現物の不動産の場合、買い手が見つかるまでなかなか現金化できないという特徴があります。また購入時の手続きも複数の書類に印鑑を押したり、契約したりと手間がかかります。
・災害リスク
不動産は、地震や火災などが発生し、全壊した場合は資産価値がなくなるというっリスクを持っています。もし災害が起きなかったとしても、火災保険料や地震保険料を支払う必要があるのでコストがかかります。絵画などの美術品であれば火災で焼失する可能性も想定できます。
金融資産のメリット・デメリット
金融資産は、実体はないものの、保有することで価値を示すことのできる資産のことを指します。以下のようなものは金融資産に該当します。
☑株式
☑債券
☑投資信託
どの商品も購入時より高額となった場合の売却益をメインで運用するものだといえます。配当や株主優待などのサービスもあるものの、株式は価値の変動が激しいという特徴があります。
金融資産のメリット
・少額から始められる
株式では1株数百円から、ネット証券では100円から購入できる商品もあり、小さい金額から投資していくことが可能です。
また、最近では貯めたポイントで株を購入できるというサービスもあり、初心者にも参入しやすいケースが散見されます。
・高い売却益をねらえる
株式や為替は価格が変動しやすく、購入時と売却時の差を狙って高い売却益を狙うことができます。
・分散投資も可能
金融商品には様々な種類があり、ハイリスクなものとローリスクなものに分散投資することができます。これによってリスクヘッジをすることが可能であり、自分に合ったポートフォリオを作成できるのも魅力です。
金融資産のデメリット
・元本保証がない
銀行預金と債権以外の金融商品のほとんどは、元本が保証されていないため、資産を大幅に減らすリスクをはらんでいます。また、銀行預金は元本保証がありますが超低金利のため、資産を増やすといった特性は持っていないでしょう。
・インフレに弱い場合もある
株式や投資信託は比較的インフレ時にも強いですが、債権の場合は、インフレ時にインフレを抑えようとして金利が上昇し、債券価格が下落する恐れがあります。
・急落リスク
株価や為替は価格が変動しやすく、特に株式は会社の経営破綻や、情勢の悪化によっては株価が急落することもあります。また、会社がつぶれてしまった場合は、保有している株式が無価値になってしまいます。
資産としての不動産
不動産は自分の居住用としても、他社に貸し出すことを目的とした投資用としても資産の価値を持ちます。不動産は現物資産であるという説明はしましたが、他にはどのような特徴があるのでしょうか。
不動産の特徴
不動産の主な特徴は以下です。
・自ら購入し住むことも、第三者に貸し出して利益を得ることもできるため活用の幅が広い
・相続税評価額を抑えることができ、金融資産よりも相続時における節税効果が高い
・インフレ時に価値が上がる可能性がある
・流動性が低く、二人以上で分割するのも困難
・建物は経年劣化し、価値が下がっていくことが多い
・税金や維持費などの保有コストがかかる
・高額であり、手に入れるにはローンを組むことが多い
また、投資用に不動産を購入する場合においても様々な手法があります。
・現物不動産投資(新築、中古アパート・マンション・戸建て、ワンルームマンション)
・不動産投資型クラウドファンディング
・不動産小口化商品
不動産投資に該当するのは、全て事業用の物件です。しかし、不動産投資だけを比較しても以下のように商品の性質が異なります。
【現物不動産】
所有権・登記:有
運営者:買主
収入:家賃・売却
物件の選定:自由
必要資金:数百万円~
【不動産投資型クラウドファンディング】
所有権・登記:なし
運営者:サービス提供事業者
収入:家賃・売却益の分配
物件の選定:サービス提供事業者
必要資金:1万円~
【不動産小口化商品】
所有権・登記:任意組合であれば有
運営者:サービス提供事業者
収入:家賃・売却益の分配
物件の選定:サービス提供事業者
必要資金:1万円~100万円
不動産投資型クラウドファンディングと不動産小口化商品は、物件の所有権がないケースもあり金融商品への投資に近い側面もあります。
不動産の価値を上げる方法
不動産は時間がたてばたつほど価値が下がっていくので、早く売って現金化したほうが良いのでは?と思う方もいるかもしれませんが、不動産の価値を上げる方法は存在します。
それは、次の買主が買いたいと思う不動産にできるかどうかです。
まず一つ目はリフォームやリノベーションで不動産そのもののクオリティを上げる方法です。水場やトイレを綺麗にするのはもちろん、外観リフォームやおしゃれなつくりにリノベーションをすることで、中古の不動産だとしても高価格で売り出すことができます。
また、収益不動産の場合では、入居者が変わるタイミングや更新時に家賃の値上げを行うというのも一つの手です。ただし、相場に対して価格を上げすぎると空室が増え、利回りの低下につながるので注意が必要です。
さらに入居者や買主を募集する際には、選ばれやすい不動産にするためにもアピールポイントを分かりやすく訴求したり、写真や間取り図一枚にも工夫を凝らすことが大切です。
おすすめの資産形成は不動産投資
ここまで、現物資産と金融資産について、不動産の特徴について解説してきました。どの資産を用いて資産形成をするのが良いかは保有する資金によって異なります。例えば、数百万ほどの資金がある場合、現物資産・金融資産どちらも選択肢に入るといえるでしょう。
この場合は、将来的にどのようなライフスタイルを築きたいのか、リスクをどの程度許せる目のかによって選択する資産は変化します。
不動産投資であれば老後の資産形成だけでなく、家賃収入を期待できるため、現在の働き方や生き方を変えられる可能性もあります。特に成功した場合は、複数個所から収入を確保できるため、将来的な対策も可能です。
不動産投資のメリット
不動産投資を資産形成の方法として選択するメリットは以下の四つです。
・具体的な運用や集客活動は業者に任せられるため、手間がかからない
・手元に資金がなくとも、ローンを組むことで始められるため投資初心者にとってハードルが高くない
・損益通算や相続税圧縮など節税効果が期待できる
・ミドルリスク・ミドルリターンの性質を持っているので、期間をかけて安定した収入を得られる
また、不動産投資は信頼できる不動産会社やアドバイザーに出会えれば、利益を出せる確率を上げられるという点もおすすめする理由です。ただしその反対で、悪徳な業者も少なくないので、ある程度の基礎知識を蓄えてから、手を出す方が安心です。
持つべきではない不動産
価値の高い不動産がある一方、所有しているだけで所有者を困らせてしまう不動産が存在するというのも事実です。最近では親の持っていた不動産を相続したものの、利用価値がなく、家計を圧迫されているというケースも見られます。
特に、現在では利用していない空き家は要注意です。空き家も他の不動産と同じように固定資産税がかかります。
そもそも利用していないのであれば、それだけでも痛い出費ですが、空き家対策特別措置法により、所有している空き家が「倒壊の恐れあり」と指定されてしまった場合は、固定資産税の減免措置が使用できなくなります。
これにより、支払う固定資産税が最大4倍にもなる恐れがあるのです。
また、空室の多い賃貸物件も、所有しているだけで他の財産が減る恐れがあります。
このような不動産を所有している場合は、早急に売却し現金化するか、建物を壊して土地活用の手段をとるかなど対策を売ったほうがよいでしょう。
利益もでず、利用価値もない、それに加え売却もできないという場合は、自治体に寄付の相談をするという選択肢もあります。寄付が成立した場合は現金化はできませんが、不要な支出をカットできるため、最終手段として知っておきましょう。
最後に
ここまで現物資産と金融資産のそれぞれのメリット・デメリットや価値のない不動産や価値の上げ方について説明してきました。
資産にはメリットとデメリットがあるため、自分の属性に合わせ選ぶこと、リスクヘッジのため組み合わせて運用していくことが大切です。
そのうえで、家賃収入や老後の資産形成、定期的な収入に興味がある場合は、不動産投資を検討してみましょう。