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ワンルーム不動産投資で必要な、ローン返済と収支シミュレーションの簡単な方法

ワンルーム不動産投資で必要な、ローン返済と収支シミュレーションの簡単な方法

ワンルーム不動産投資を成功に導く一つの鍵は、購入前にどれだけシミュレーションができるか否かにあります。シミュレーションができると、購入してもいいワンルームなのかどうかが分かるようになり、営業マンの説明内容の真偽もわかるようになります。

当ページでは、不動産投資初心者でも、簡単にローン返済と収支シミュレーションができる方法についてまとめました。

不動産投資を始める前に行っておきたい「不動産ローンシミュレーション」

不動産投資の目的は、資産形成・収入増加・節税対策(相続税・所得税)・年金対策などがあります。それらは、キャッシュフロー(収益)がプラスになることで成立します。とくに出費のなかで一番大きなウェイトを占めるローン返済額(元金・利息)を把握することは、最重要事項とも言えます

下図は、収支バランスが良い状態の時の、家賃収入に対するキャッシュフロー(収益)、必要経費、空室率、ローン返済額の目安を表します。

家賃収入 キャッシュフロー 約15%
必要経費(管理費・修繕積立金、固定資産税など) 約25%
空室率 約10%
ローン返済額(自己資金の割合により返済額の割合は変わります) 約50%
ローン返済率

ローン返済額の割合が増加すると、キャッシュフロー(収益)が減少します。ローン返済率が75%前後になると、キャッシュフロー(収益)は赤字になります。これは必要経費率を25%に設定した場合です。

必要経費率と損益分岐点となるローン返済率との関係をまとめると、下表の通りです。ここでの注意点は、必要経費率を低く見積もると、購入後の必要経費率と大きな違いがでる可能性があるということです。

必要経費率 15% 20% 25% 30%
損益分岐点となるローン返済率 85% 80% 75% 70%

ローン返済率を無理のない状態に保つためにも、ワンルーム購入前の不動産ローンシミュレーションは必須条件ともいえます

ローンシミュレーションで何がわかる?現状把握と運用に欠かせないシミュレーション

収益がプラスになるか否かを確認することは当然のことですが、ここでは「ローン返済率」による安全度合いと、「利回り」による安全度合いについて解説します。

【ローン返済額・返済率による安全度合い】

ローン返済額は不動産投資ローンの条件(融資額、金利、返済期間など)により、大きく変わります。ローン返済額に基づいたローン返済率を小さくしておく方が、不動産経営を安定したものに導けます。自己資金割合を高くすると、ローン返済率は減少し、キャッシュフローや利回り(ROI)の改善に寄与します。

ローン返済率 安全度合い
40%未満 優(安全)
40~50% 良(注意)
50~55% 可(警告)
55%以上 不可(危険)

【利回りによる安全度合い】

利回りには表面利回り、実質利回り、ROI(投資収益率)などがあります。これらの数値を比較・検討することで、ワンルーム購入の判断材料とすることができます。このなかでとくに大切なのは、ROIです。ROI=0%が損益分岐点になるからです。ROIがプラスになれば利益になり、ROIがマイナスになれば損益になります

表面利回り = 満室賃料 ÷ 物件購入価格 × 100(%)

実質利回り =(満室賃料-必要経費)÷(物件購入価格+購入時諸経費)× 100(%)

ROI =(満室賃料-必要経費-ローン返済額)÷(物件購入価格+購入時諸経費)× 100(%)

上式は、空室率を考慮していない計算式です。空室率を考慮した計算式は下記の通りです。

空室率 =(空室戸数×空室月数)÷(総戸数×12か月)×100(%)

実質利回り =(満室賃料-必要経費)÷(物件購入価格+購入時諸経費)×(100-空室率)(%)

ROI =(満室賃料-必要経費-ローン返済額)÷(物件購入価格+購入時諸経費)×(100-空室率)

ここで大都市部における利回りの目安を下表にまとめます(空室率を考慮しない場合の計算式による)。

表面利回り 実質利回り ROI(投資収益率) 安全度合い
9%以上 7%以上 2%以上 優(安全)
7~9% 6~7% 1~2% 良(注意)
5~7% 4~6% 0~1% 可(警告)
5%未満 4%未満 0%未満 不可(危険)

この値は不動産投資を行ってきた経験や、顧客に対してコンサルタントをしてきた事例からの経験則の一つです。必ずしもこの通りになるものではありませんが、一つの目安と考えててもいいでしょう。

シミュレーションを行ううえで必要な入力項目

不動産投資のシミュレーションを行ううえで、必要な入力項目を説明します。簡易なシミュレーションと詳細なシミュレーションとでは、入力項目が違います。

【物件購入価格】

消費税を加味した購入価格を入力します。

【購入時諸経費】

簡易なシミュレーションと詳細なシミュレーションとでは、入力方法が違います。

簡易なシミュレーションの入力項目 詳細なシミュレーションの入力項目
売買仲介料(*2)が不要な場合諸経費率:物件購入価格の3~5% ローン手続き費用
修繕積立基金
火災・損害保険料(一括払いの場合)
売買仲介料(*2)が必要な場合諸経費率:物件購入価格の6~8% 不動産取得税・登録免許税・印紙税
司法書士報酬(登記手続き)
売買仲介料(購入価格の3%+6万円)(*2)

*2 売買仲介料:不動産仲介会社から購入した場合に必要です。開発会社から購入した場合には不要

購入候補物件の周辺相場をWEBサイトや不動産会社にて調査し、家賃を想定します。似たような条件の物件(建築構造・間取り・最寄駅までの徒歩時間、階数、住戸の方位(向き)など)を調査して、該当する物件の平均家賃を入力します。他に、想定空室率や稼働率(100-空室率)を入力します。

【必要経費】

簡易なシミュレーションと詳細なシミュレーションとでは、入力方法が違います。

簡易なシミュレーションの入力項目 詳細なシミュレーションの入力項目
必要経費率:家賃の20%~30%
(この必要経費率の中には、日常修繕費、賃貸仲介料、税理士報酬は含まれません)
管理費(管理業務委託費)
修繕積立金(共用部分)
日常修繕費(専用部分)
賃貸仲介料(家賃の1~2か月分)(*3)
入居者平均入居期間
火災・損害保険料(毎年払いの場合)
固定資産税・都市計画税(*4)
税理士報酬(確定申告)(*5)

*3 賃貸仲介料:入居者の退去時に必要
*4 その他税金:必要経費の中に入りません(税務上)が、他に所得税・住民税が必要
*5 税理士報酬:確定申告を自ら行う場合は不要

【不動産投資ローン条件】

借入金額、自己資金、金利、返済期間、ボーナス返済割合などを入力します。とくにここでは、色々と条件を変更しながらのシミュレーションが大切です。たとえば、借入金額・自己資金の大小の調整、金利の高低の調整、返済期間の長短の調整などです。

不動産投資ローンの返済シミュレーションができる無料ツール紹介(エクセル含む)

ここで初心者でもできる簡易なWEB上のシミュレーションを紹介します。

必要な数字が分かれば、利回りや返済額を把握しやすい

オリックス銀行、不動産投資連合隊、東急リバブル、at homeのWEBシミュレーションを下記にします。自身の目的に合ったシミュレーションを選択して活用することが大切です。

オリックス銀行:投資用不動産ローン・住宅ローン 借入れシミュレーション】

希望借入金額、ボーナス返済割合、返済期間、所定金利などを入力すれば、月々の返済額、年間の返済額などが算出されます。

入力項目 出力項目
希望の借入金額(万円) 毎月のご返済額(円)
ボーナス返済の割合(0~50%) ボーナス月の加算額
希望の返済期間(年) 年間のご返済額(円)
所定の金利(%)ご希望の経過年数後の借入残高を計算します ご希望の経過年数(年)ご希望の経過年数の借入残高(万円)

不動産投資連合隊:収益・投資物件簡易収支シミュレーション】

物件情報4項目と資金計画4項目を入力すれば、返済額・利回りなどの11項目が算出されます。

入力項目 出力項目
物件情報 物件価格(万円) 返済額(月額)(円)
満室時想定年収(万円) 返済額(年間)(円)
想定空室率(%) 返済総額(円)
諸経費率(%) 家賃収入(年額)
資金計画 自己資金(万円) 控除・諸経費(年額)
借入金額(万円) 年間支出(円)
借入期間(万円) 年間手取り(円)
借入金利(%) 表面利回り(%)
実質利回り(%)
返済後利回り(%)
投資利回り(%)

東急リバブル:収益シミュレーション】

総投資額2項目、資金計画3項目、賃貸条件3項目を入力すれば、年間収入と年間手取収入が算出されます。

入力項目 出力項目
総投資額 物件価格(万円) 年間収入(万円)
購入諸経費(万円)
資金計画 自己資金(万円)
借入期間(年)
金利(%) 年間手取収入(万円)
賃貸条件 年間手取収入(万円)
稼働率(%)
諸経費(維持費)率(%)

At home:ローンシミュレーション 賃貸用不動産の投資利回り】

6項目を入力すれば、表面利回り・実質利回りが算出されます。利回りだけを知りたい場合には手軽に使えるシミュレーションです。

入力項目 出力項目
物件価格(万円) 表面利回り(%)
想定賃料(万円)
想定入居率(%)
管理費(年間)(万円) 実質利回り(%)
修繕積立金(年間)(万円)
その他費用(年間)(万円)

シミュレーションができる無料ツール(エクセル)

IRR、RENOSYが提供するシミュレーションができるExcelシートも紹介します。

IRR:不動産投資収益計算Excelシート(Lite版)

利回り、減価償却、税金、修繕積立金など、全ての項目を網羅するために作成されたシミュレーションシートです。入力項目は30以上に及びます。不動産投資の初心者よりも不動産仲介業者やファンド関係者に使われているシミュレーションです。

他のシミュレーション(上記)で慣れてきたら、このExcelシートでシミュレーションをしても良いでしょう。

RENOSY:ローン返済シミュレーション

借入額・金利・返済回数を入力すれば、毎月の返済額・元金・利息・彼入残高が算出されます。元利均等返済、元金均等返済の両方に対応するシミュレーションです。

金利、諸経費、イレギュラー収支など様々なパターンでシミュレーションしておく

購入前に考えられる諸条件を想定してのシミュレーションを行うと、自ら購入条件を設定できるようになります。よって、不動産営業マンのペースで購入しなくても済むようになり、自分主導で不動産の購入を進められるようになるのです

金利・返済期間・借入金額の違いによるシミュレーション

実際の事例を通して、シミュレーションしてみましょう。不動産投資ローンの条件(金利・返済期間・借入金額)を数パターン準備してそれぞれ算出します。

【金利の違いによるシミュレーション】

事例の基本条件 大都市部にある新築ワンルームマンション1戸を開発会社から購入を検討(仲介手数料は無し)
建築構造 鉄筋コンクリート造
購入価格 3,000万円
購入時諸経費 120万円(購入価格の4%)
総購入価格 3,120万円
家賃収入 12万円/月、144万円/年
必要経費 36万円/年(家賃収入の25%)

〇事例1

上記【事例の基本条件】に基き、金利の違いによるシミュレーションを行います。
自己資金:1,020万円(購入価格の30%+諸経費)
借入金額:2,100万円
借入期間:35年を想定

想定金融機関 都市銀行 地方銀行 信用組合 ノンバンク
融資金利 2% 3% 4% 5%
自己資金 1,020万円
借入金額 2,100万円
年間家賃収入 144万円
年間必要経費 36万
ローン返済額 83.5万円 97.0万円 112万円 127万円
ローン返済率 58.0% 67.4% 77.8% 88.2%
表面利回り 4.8%
実質利回り 3.5%
ROI 0.8% 0.4% -0.1% -0.6%
キャッシュフロー(手残り額) 24.5万円 11.0万円 -4万円 -19万円

ローン返済率が75%を前後して、ROIとキャッシュフローがプラスからマイナスになることがわかります。

【返済期間の違いによるシミュレーション】

〇事例2

上記【事例の基本条件】に基づき、返済期間の違いによるシミュレーションを行います。
自己資金:1,020万円(購入価格の30%+諸経費)
借入金額:2,100万円
融資金利:2%

返済期間 20年 25年 30年 35年
自己資金 1,020万円
借入金額 2,100万円
年間家賃収入 144万円
年間必要経費 36万
ローン返済額 127万円 107万円 93.1万円 83.5万円
ローン返済率 88.2% 74.3% 64.7% 58.0%
表面利回り 4.8%
実質利回り 3.5%
ROI -0.6% 0.03% 0.5% 0.8%
キャッシュフロー(手残り額) -19万円 1万円 14.9万円 24.5万円

ローン返済率が75%を前後して、ROIとキャッシュフローがマイナスからプラスになることがわかります。

【借入金額の違いによるシミュレーション】

上記【事例の基本条件】に基づき、借入金額の違いによるシミュレーションを行ってみましょう。
融資金利:2%
借入期間:35年

自己資金 購入価格の10%
+諸経費
購入価格の20%
+諸経費
購入価格の30%
+諸経費
購入価格の40%
+諸経費
420万円 720万円 1,020万円 1,320万円
借入金額 2,700万円 2,400万円 2,100万円 1,800万円
年間家賃収入 144万円
年間必要経費 36万
ローン返済額 107万円 95.4万円 83.5万円 71.6万円
ローン返済率 74.3% 66.3% 58.0% 49.7%
表面利回り 4.8%
実質利回り 3.5%
ROI 0.03% 0.4% 0.8% 1.2%
キャッシュフロー
(手残り額)
1万円 12.6万円 24.5万円 36.4万円

ローン返済率が75%以下なので、ROIとキャッシュフローがプラスになることがわかります。

自分でシミュレーションが難しい場合は、不動産投資のプロを頼ろう

ワンルームマンション投資の初心者にとっては、上記のツールを駆使しても色々なパターンのシミュレーションを行うのはハードルが高いかもしれません。また、行ったとしても条件が甘くなりがちで、購入した後に実際と大きく違っていたということになりかねません

自分でしたシミュレーションを検証してみるという意味でも、不動産投資のプロに頼ってみるというのも一つの方法です。条件設定を様々に変えたシミュレーションを瞬時に行うことができるので、信頼できる不動産投資アドバイザーに相談してみるのもオススメです。

まとめ

各シミュレーションツールやローン返済について解説しましたが、いかがでしたか。最近では、AI(人工知能)を利用したシミュレーションも出てきています。過去の膨大な取引事例や現在の成約価格・成約家賃などの市場データを蓄積・解析することによって、精度の高いシミュレーションが行えます。

しかし、上記で解説した返済シミュレーション内容が基本であり、AIのベースにもなっています。不動産投資においてシミュレーションの基本を理解することは、必須事項とも言えるので、少しずつシミュレーションに慣れていきましょう。

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