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投資指標として認定されつつあるESG投資の基礎知識

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投資指標として認定されつつあるESG投資の基礎知識

ESG投資は、(Environment・Social・Governane)の3単語の頭文字をとった投資方法です。環境や社会貢献に対して評価を行い、その評価に基づいて投資を行います。

不動産投資の場合は、社会貢献とは無縁に思えるでしょう。しかし、実際には、ソーシャルレンディングなどで保育園や宿泊施設などに投資を行っていることもあり、出資そのものが社会貢献につながっていることもあります

では、「ESG投資が社会的な貢献度の高い企業への投資を行うものだとして、利益を得るためには何を具体的に考えればいい?」と疑問に思うこともあるでしょう。

そこで今回は、ESG投資の際に知っておいた方がいい指標や投資を行う際のポイントについてみていきましょう。指標の見方に関しては、ESG投資以外にも役立つのでぜひ参考にしてみてください。

投資の際に必要になる「投資指標」とは?

簡潔にいうと、投資指標は、株式投資を行う際の目安となる数値のことです。

例えば、現状の株価や1株当たりの利益を知ることで、感覚に任せた投資ではなく具体的な根拠を持って投資を行えるようになります。

似たような概念で株価指標というものもあり、こちらも投資指標と合わせて投資判断の1つとして市場で使用されています。また、投資指標も株価指標も毎日その値は変動する点には注意が必要です。ちなみに、短期的な運用であれば、知識は必要ありません。

あくまでも継続的な投資を行うための判断材料の1つとして、投資指標があると認識しておきましょう

投資指標と数字

投資の場合は、以下のような投資指標をある程度知っておく必要があります。

【1株当たりの純利益(EPS)】

非常に簡潔にいうと、1株当たりの利益を評価するための指標です。

純利益から総発行株式数を割るとその数値が算出できます。純利益、総発行株式数などは財務諸表などから確認可能です。また、EPSに関しては、高いほど企業としての収益性が高いと評価できます。

【株価収益率(RER)】

株式からその企業の株式が割安か割高か判断するための指標です。

これは前述したEPSに対して、現状でどのくらいの倍率の株価となっているのかを示すものです。簡潔にいえば、PERが高いほど割高、低いほど割安となります。

上場企業の平均値は15倍程度であるため、割安株はその数字以下と意識すると良いでしょう。しかし、倍率があまりにも低い場合は、その会社の業績や将来性をよく確認したうえで購入を検討することをおすすめします。

逆に割高であれば、企業価値に対しての将来性に期待されていることを意味します。この場合、株価は下がる可能性があると判断できるため、過去の株価を見ながら判断しましょう。

【株価純資産倍率(PBR)】

簡潔にいえば、PBRも株式が利益に対してどのような状態か判断するための数値です。単純に株価から1株当たりの利益を割ることで数値はすぐに算出できます。

判断基準に関しては、1以上であれば割高、以下であれば割安と判断して構いません。とくに会社の倒産リスクなどを想定した場合には、1以下の企業であれば損失を防ぐ確率が高まります。(会社の債務整理に株主は関係ないものの、資金返還が発生することもあります)

投資指標に関しては、ある程度指標で算出できる数値に目安が設定されていることが多いです。ESG投資においても大きく変化はしません。

しかし、ESG投資の場合は別にESG指数もあるため、様々な数字を検討して投資を行うことがポイントとなります。

ESG投資をする際に覚えておきたい指数

ESG投資は、環境や気候問題などに対する社会貢献度を検討したうえで行う投資です。

つまり、前述した経営指標とは全く別の評価を行うものだといえます。日本だけでなく、欧州やアメリカの大手企業においては、投資方針そのものを環境方面に大きく変更している企業も少なくありません。

そのうえで、ESG投資に関しては以下の5つの指数を出資の際の判断材料にしてみましょう。ちなみに、株価指数にはNYダウやTOPIXなどもあるものの、これは経済面を評価するためのものであり、ESGの評価とは別物だと把握しておきましょう。

①FTSE Blossom Japan Index

日本企業のESGを総合的に評価している指標です。独自の評価基準(ESG Rating)を決め、それを上回る数値を持つ企業で構成されています。トヨタ自動車や武田薬品など上位銘柄には、大手企業が名を連ねており、個別株の銘柄なども参考にできるでしょう。

②MSCI日本株女性活躍指数(WIN)

企業として、女性が活躍している企業を評価した指数です。平均雇用期間、男女別パフォーマンス、役員数などといった項目で大手企業500社を評価対象としています。例えば、花王、東京海上ホールディングス、リクルートなどが名を連ねています。

③S&P/JPX カーボン・エフィシエント指数

東京証券取引所とS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が作った環境に配慮した総合指数です。TOPIXから売買代金が5,000万円を超える銘柄を算出し、炭素排出量と環境・人権・過去の事故なども含めて評価した銘柄が算出されます。

また、基本的に日本の大企業が対象となるため、トヨタやソニー、三菱UFJフィナンシャルグループなどが名を連ねています。

④MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数

ESG全ての要素を総合的に判断している指数です。MSCIが構成銘柄を策定しています。独自の評価によるものの、最高評価AAAまでのうち、B以上の銘柄で構成されている指数です。キーエンスやソニー、KDDIなど電子・通信業の銘柄が目立ちます。

⑤ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス

S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社とRobecoSAM社が作った指数です。世界的な指数であり、ESG全てを総合的に評価します。例えば、災害マネジメント、行動規範、環境レポーティング、人材開発の観点などは評価項目です。

組入銘柄には、Microsoft、Googleの親会社のAlphabetなど世界的な大企業の名前が目立ちます。

様々な投資指数があるため、どの指数を参考にするのかは、出資者が策定可能です。また、投資信託では、実際に投資指数に連動する動きを目指すものもあり、基本的には長期的な運用が前提となります。

投資指数をみるときの3つのポイント

投資指数に着目した場合、以下の3つのポイントを把握しておきましょう。

  • 何を評価しているのか
  • 評価した分野の将来性と現状
  • 実際の活動

実は、企業としてESGに力を入れていると謳うのは難しくありません。しかし、投資を行う場合は、経済面を考慮したうえで、ESGに対してどれほど力を入れているのかをある程度把握する必要があります

また、投資指数も指標も一定の側面から企業を評価しているため、実際に指数を形成する銘柄などに関しては、どのような取り組みを行っているのかをリサーチすることが大切です。

例えば、社会貢献といっても災害や寄付などに力を入れているのか、二酸化炭素の排出量の軽減に力を入れているのかなどでは評価の尺度が異なります。そのため、値幅の動きが緩やかな投資信託などであっても、将来的な市場の動きを予想したうえで運用しなければ利益を出すのは難しいといえます。

ちなみに簡単なチェック方法としては、機関投資家が投資を行っている銘柄を自分なりに分析することでESG投資の方向性が掴みやすくなります。実際に多額の資金を運用する機関投資家は、研究を重ねたうえで投資を行っているため、参考にしやすいといえるでしょう。

ESG投資のスタートさせる方法

ESG投資は、専門家でもどの銘柄を選んでいいのか迷いやすい分野です。そのうえで、簡単に ESG投資本スタートさせたい場合は、投資信託を選ぶと良いでしょう。

投資信託の場合は、環境や社会貢献、社内統制など一定のテーマに基づいて資金をファンドが運用しています。つまり、出資者は、将来性などを分析したうえで、資金を預けるだけで運用をスタートすることが可能です。

加えて、ネット証券などでも投資信託は取り扱いがあり、数百円単位から投資ができます。そのため、複数の ESGに関連する指標に対して簡単に分散投資を行うことができるでしょう。

投資方法に関しては、環境に対する取り組みなどの一定のテーマで評価の高い企業を選ぶ、適合しないテーマの業種などを最初から除外するなどの方法があります。指数で評価されている企業なども有価証券報告書などから、実際の活動内容やデータを含めて総合的に判断する必要があります。

投資指標の解析力を向上させよう!

書籍で勉強

投資指標は、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析と呼ばれる分析方法で判断することも可能です。

これは、上記で触れた株価指数や投資指標とは別の分析方法です。それぞれ詳しくみていきましょう。

【テクニカル分析】

過去の値動きなどのデータから、これまでの経験則などを用いて、今後の動きを分析する方法です。短期的な取引を行う場合に向いており、過去のパターンから現在どのような動きになるのかを判断するために使用します。

【ファンダメンタルズ分析】

企業云々売上や利益、今後の将来性だけでなく、世の中の情勢や変化まで含めた上で分析する方法です。また、 PE R などの数字に関しても、ファンダメンタルズ分析に利用することが可能であるものの、個人で分析を行うには非常に手間がかかります。

投資指標の解析力を上げるためには、主にこの2つの方法を使用することになります。

投資指標の解析力を上げる方法

解析力を上げる手法としては、ひたすら企業分析を行うことが最も重要です。ツールを使用してデータを表示することは難しくありません。しかし、そのデータが本当に正しいものなのかなどの検証を行うことで、データと現状の差を認識することが可能です。

また、以下のような行動も解析力を上げるポイントとなります。

  • 一次情報を確かめる
  • 数字に対して正確性と裏付けを取る
  • 数字を出したら出資候補企業同士で比較する

データ分析や過去の経験は「絶対」ではありません。そのうえで、分析の精度や情報の正確性を確かめていくことは、投資を続けるうえでは重要なポイントです。また、同分野で同程度の規模の企業などであっても、実際に財政状況のみを比較してみても数値は大きく異なることも少なくありません。

これに加えて、ESGの要素を検証する必要があるため、個人では労力が高いと判断できます。ある程度の予想を立てながら投資を続けていくためにも、分析力を上げることで株式などの幅広い商品に対して、投資が行いやすくなります。

ちなみに、必要な情報を必要なだけ取りに行くためには、必要としない情報もある程度決めておく必要があります。DCFは考慮しない、一般的な基準ではなく自分の中で基準を決めるなど分析力に関してもある程度、目的を持つことが大切です。

まとめ

ESG投資は簡単にいえば、環境や社会などの要素を含めて評価したうえで行う投資のことです。経済面に関しては、有価証券報告書などから自分で算出でき可能です。しかし、ESGの要素に関してはある程度テーマごとにどのぐらいの規模での出資を行っているのかなどをよく比較したうえで投資を行う必要があります。

個別株などに関しては、単元で購入の必要があることも多く、多額の資金が必要であるため、指数と連動する投資信託の方がスタートのハードルは低く感じるでしょう。投資信託の場合は、運用を考える必要はないため、そのテーマや指標における評価の数値などを検討することで利益を出していくことが可能です。

そして、ESG投資を行う場合には、機関投資家や指数に含まれている銘柄などを参考にしてみましょう。機関投資家は一般投資と比較して非常に多くの資金を市場に出資しており、研究を重ねたうえでその銘柄を選択しています。

また、不動産投資などにおいてもESGの考え方は今後取り入られていく可能性があります。「ESG意識した方がいいよね」「不動産投資はESGに対してどう対応するの?」などの疑問でお悩みの場合、アスクルパートナーズの「不動産投資セミナー」をご利用ください。貴方に最適な投資の方法や考え方を知るのに役立ちます。

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