30代になると仕事が板についてきたり、ある程度の収入をもらえるようになるでしょう。そこで意識するようになるのがお金の問題です。

30代は多数のライフイベントが発生する世代であり、それに合わせお金の工面も考える必要があります。もちろんライフイベントは発生するたびにローンなどを組んで資金を前借りすることもできますが、40代、50代、老後に向けて資産形成の準備を始めることが理想的です。

今回は、30代から始める投資というテーマを中心に、30代の理想の投資額や投資している人の割合、更に30代におすすめの不動産投資について具体的に解説していきます。

30代が資産運用をすべき理由

30代は「結婚」「出産」「子どもの教育」「マイホームの購入」などライフイベントが多数発生する世代です。

これらのライフイベントでは大きな出費が必要になることが多く、ライフプランに合わせた資金計画を考える機会も増えるでしょう。比較的、自由にお金を使うことができた20代の頃と同じように考えていると、資金繰りで苦労することもあるかもしれません。

更に老後資金を準備することも考えると、できるだけ早い段階から資産運用を始めた方が得られるメリットが多いといえます。

例えば、積立型で投資をしていく場合は、早く始めることにより時間を武器にすることができます。積立型の投資では複利の恩恵を受けることができるため、時間をかければ少額ずつの投資でも大きな資産を築くことができます。そのため、できるだけ早く始めることで、無理なく安定した資産運用をすることができるのです。

20代で貯蓄に励んできたという方は、30代を目安に資産運用を初めてみることをおすすめします。

30代で投資している人の割合

30代で実際に投資をしている人の割合はどれくらいなのでしょうか。
以下の表は日本証券業協会が発表した「平成30年度 証券投資に関する全国調査」から抜粋した内容をまとめたものです。金融資産を保有している30代の男性と女性、それぞれの割合を金融資産別に数値化しています。

上の表を見てみると、30代の男性、女性どちらも投資をしている人の割合がまだまだ低いことが分かります。特に女性においては男性の半分以下の数値となっています。

一方で、預貯金をしている人の割合は、男性女性どちらも9割以上と非常に高いです。このことから貯蓄はできているが投資にはまだ手を出せていない人たちが多いということが分かるでしょう。

また、当調査では20代で金融資産を保有している人の割合も発表しており、20代と比べると若干ではありますが、30代の方が金融資産を保有している人の割合は高くなっています。

30代で理想の投資額は

30代で一体どれくらいの金融資産を持っているのが理想的だといえるのでしょうか。

先程の「平成30年度 証券投資に関する全国調査」内から30代の保有している金融資産額の平均を抜粋して以下にまとめました。

上の表を見る限り、30代が保有している金融資産額は約200万円~352万円であることが分かります。

もちろんこの数値はあくまで平均値ですので、これくらいは資産がないといけないというわけではありません。あくまで今後資産運用をする際の目安程度に捉えてください。

理想の投資額は、個人それぞれの目的や状況によって異なってきます。結婚資金、出産費用、教育費、住宅購入費などの出費も人それぞれ異なりますし、独身世帯か夫婦世帯か、子持ち世帯かなどによっても変わってくるでしょう。
大切なことは、まずは何にどれくらいお金がかかり、それがいつまでに必要かなどをプランニングすることです。それを行えば、自然といくらずつ金融資産を増やしていくのが良いかが見えてくるでしょう。

また、まずは貯蓄から始めたいという方は、手取り収入の10%~15%を毎月貯金することを目標とすると良いでしょう。月の手取り額が30万円の方は3万円から4万5千円を貯蓄していくことになります。

不動産投資は30代から始めるのがベスト？

いざ投資を始めようと思っても、株式投資や投資信託、FX、国債などさまざまな投資商材があり迷ってしまう方も少なくないでしょう。30代から始めるおすすめの投資の1つが不動産投資です。

30代から不動産投資を始めるのが良い理由

なぜ30代で不動産投資を始めるのが良いのか、その理由を下記にまとめました。

長期的な投資に対する時間的な余裕がある

不動産投資に限った話ではないものの、30代であれば時間的な余裕があるので、長期的な投資を選択することがおすすめです。また、会社勤めであれば役職についている方も多くなる年代であり、20代よりも融資の際にプラスの評価を獲得しやすいのは事実です。

また、現物不動産投資は長期的な戦略を立てて運用していく必要があります。そのため、30代であれば今後の運用方針の変更なども含めて、余裕のある戦略を立てやすいといえるでしょう。

そして、長い期間での投資を前提とした場合、1つの不動産に留まらず、、複数の不動産を所有・運用することも視野に入れやすくなります。

勤続年数の長さから融資を受けやすい

同一の企業に勤めていることが前提となるものの、勤続年数は、融資の際の審査項目に含まれています。勤続年数だけではないものの、新卒で入社し30代まで務めた場合、社会人としてのステータスは十分だと判断できるでしょう。

年収などに関しては、企業によって大きく異なるものの、勤続年数がある程度長い方が審査に有利になる点も30代がベストだといえる理由の1つです。

金銭的な余裕がある

30代は、20代と比較して、金銭的な余裕があるといえます。

また、本業がある場合は、管理会社に物件の管理を委託することになりますが、金銭的な余裕がなければ、管理会社と契約することができません。

不動産投資を始めるにあたって、30代は社会的信用・年収・勤続年数など融資の条件を満たしやすいといえるでしょう。

30代は不動産投資ローンを組みやすい

不動産投資は長期間をかけて資産を形成していくタイプの投資なので、早く始めることが理想的ですが、20代などは個人の属性がそれほど高くなく、融資を受けられないというケースもあります。

一方で、30代になると社会的信用や個人の属性が高まってくるので不動産投資ローンを組みやすくなるでしょう。

融資が通りやすい理由

不動産投資ローンの融資は、個人の信用情報と事業計画が審査対象になります。そのため、30代の場合、勤続年数や年収などにおいて、20代よりも要件を満たしやすいため、審査に通りやすい/span>といえるのです。

審査を有利に進めるには、自己資金をどれほど用意するのか、事業計画として、どのぐらいの金額を借りられるかなど細かい戦略を立てる必要があります。不動産投資ローンの融資に関しては、個人の信用情報が大きく審査結果を左右するため、30代なら誰でも通りやすいという訳ではないことは押さえておきましょう。

あくまでも、30代が審査に通りやすいといわれるのは、収入や勤続年数などが20代と比較して要件を満たしやすいためです。つまり、30代であっても要件を満たさない場合は審査の通貨がは難しくなるといえるでしょう。

また、現物不動産投資は非常に大きな金額が動くものです。そのため、融資をする際に年収の制限がある場合も往々にしてあります。そのため、不動産投資ローンを利用する際には、自分がどのような要件を満たしているのかをある程度把握したうえで審査を受けましょう。

不動産投資ローンを組んだ後でも、マイホームは購入できる

不動産投資ローンと住宅ローンを併用することは可能です。目的は大きく異なるものの、不動産投資ローンを組んだ場合に、住宅ローンが組めなくなることはありません。

仮に、不動産投資ローンと住宅ローンで悩む場合は、不動産投資ローンを先に組むことをおすすめします。理由としては、不動産投資ローンの返済は、第三者から得る家賃収入で返済していくことができるためです。

住宅ローンの場合は基本的に投資用ではないため、居住目的以外での利用ができません。そのため、一度ローンを組んだ場合、自分の収入からローンの金額を支払っていく必要があります。

しかし、不動産投資ローンの場合は、毎月支払いが発生したとしても、家賃収入があればその収入でローンを支払い、残りの金額は手元に残ることになります。仮に、ローンを完済した場合には、家賃収入が毎月入ってくることになるため、年収がプラスになります。

ただし、不動産投資ローンを組んだ直後は、住宅ローンを組めないケースもある点には注意が必要です。不動産投資ローンはあくまでも借入であり、物件購入直後は、この先不動産投資が上手くいくかどうか分からない状態です。

そのため、不動産投資ローンを利用する場合は、1年などの運用期間を設け、収支がプラスとなった場合に住宅ローンに申し込むのが良いでしょう。

特におすすめなのはサラリーマンや公務員の方

不動産投資が向いている職業に関しては、サラリーマンや公務員、士業の人が挙げられます。

特にサラリーマンや公務員の場合、融資の審査要件である勤続年数や勤め先、年収などの条件をクリアしやすいためです。また、企業内での役職や年収なども審査要件となっているため、サラリーマンや公務員の方は不動産投資を始めるのに最適な職業だといえるでしょう。

士業の方に関しては定年がないことだけでなく、収入がある程度確保できると判断されるため、融資を受ける条件をクリアしやすいといえます。

上記の職業以外でも、

• 勤続年数が長い
• 定期的な収入がある
• 社会的な信用が高い

などといった条件をクリアできる場合には、不動産投資に向いているといえるでしょう。

最後に

今回は30代の投資事情や30代におすすめの不動産投資について、解説してきました。

全体的に見ても、30代で資産運用をしている人の割合はまだまだ少ないですが、「老後2000万円問題」や「終身雇用の撤廃」などの話題を背景に、早い段階から資産運用に取り組む人は増えていくと予測できます。

まずは、現在の自分の収支状況や、今後発生するであろうライフイベントを確認するところから始めてみましょう。

また、不動産投資をスタートする場合、30代はベストなタイミングだといえます。理由としては、融資における勤続年数や年収などの条件をクリアしやすいためです。
ただし、不動産投資とマイホームの購入の両方を考えている場合は、ある程度を戦略を持って行う必要があるといえるでしょう。

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