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不動産特定共同事業者とは?不動産クラウドファンディングの提供事業者の特徴

アドバイザークラウドファンディング基礎を学ぶ法律

不動産特定共同事業者とは?不動産クラウドファンディングの提供事業者の特徴

不動産クラウドファンディングは参画の手軽さや、少額で始められる点から比較的新しい手法にもかかわらず注目を集めています。

不動産クラウドファンディングで投資をするうえで知っておきたいのが不動産特定共同事業者の存在です。不動産クラウドファンディング事業は許可を得た事業者のみ行うことができ、どの不動産会社でもすぐにできるというわけではありません。

また、不動産特定共同事業の内容やルールについて定められているのが、「不動産特定共同事業法」です。同法は1995年に施行されてから、複数回にわたって改正されています。不動産投資型クラウドファンディングの運用にも大きく関係するため、リスクヘッジのためにも法改正の内容を理解して、日ごろから気にかけておきたい法律です。

当記事では、不動産共同事業者や不動産特定共同事業法の種類や特徴、改正内容をはじめ、不動産クラウドファンディングのメリットや注意点などについてまとめています。これから不動産クラウドファンディングを始めようと思っている人はぜひ読んで参考にしてください。

不動産特定共同事業者とは?

チェック

不動産特定事業とは、投資家から出資を受けて、その資金を元手に不動産取引を行い、そこで発生した収益を投資家に分配する事業のことをいいます。

不動産特定事業を営むためには、国土交通省もしくは都道府県知事の許可が必要であり、さまざまな要件を満たした法人が不動産特定事業者として事業を行うことを認められます。
国交相の不動産特定共同事業者許可一覧
によると、令和3年6月30日時点で不動産特定共同事業者数は203業者存在します。

また、不動産特定共同事業者が事業を行うにあたって、さまざまなルールや規制を定めている法律のことを不動産特定共同事業法といいます。

不動産特定共同事業法

不動産特定共同事業法(不特法)とは、1995年に施行された不動産特定共同事業の根幹となる法律のことです。不特法とも呼びます。

1980年代のバブル期に、高額な不動産を小口販売して収益を分配する事業が急速に広がり、盛り上がりを見せましたが、バブル崩壊後に中小企業の倒産が相次ぎ、投資家にも甚大な損失を被る事態が多発しました。

そうした背景から、不動産特定共同事業会社の正しい運営や投資家保護を目的とした統制が強く求められたことから、同法が制定、施行されました。名前だけ聞くと難しく感じますが、要は企業や投資家を守るための適切な法律ということです。

不動産特定共同事業法の種類

不動産特定共同事業法にはいくつかの契約の種類があります。大きく分けて「任意組合型」「匿名組合型」「賃貸借型」の3つの契約類型です。それぞれ簡単に見ていきましょう。

【賃貸借型】
賃貸借型とは、業者から購入した不動産の共有持分を持つ投資家が、不動産特定共同事業者に賃貸(または委任)して事業者が運営を行い、収益を投資家に分配する契約のことです。不動産の所有権は投資家が共有で持つことになります。

【任意組合型】
任意組合型とは、投資家と不動産特定共同事業者との間で任意組合契約を締結して、運用する商品のことです。高額な商品が多く、投資家が不動産の所有権を持つのが特徴です。

【匿名組合型】
匿名組合型とは、投資家と不動産特定共同事業者との間で匿名組合契約して運用する商品です。各投資家は匿名組合員になり、不動産の所有権は事業者が持つことが特徴です。1口数万円~で少額な商品が多いです。

いずれも契約種類で内容が異なってきますが、日本で運営されている不動産クラウドファンディングサイトの多くは匿名組合型です。ただ、1口100万円以上などの高額商品では、任意組合型も多く扱われています。

不特法の改正

1995年に施工された同法は今まで複数回改正されています。大きく改正されたのは2017年です。特例事業者の範囲が緩和されたことで、小規模特定共同事業が創出されるようになりました。小規模特定共同事業とは、不動産特定共同事業のうち、投資家1人当たりの出資額が100万円以内、かつ、投資家が行う出資の合計額が1億円以内のものを指します。

それに加え、許可制度から登録、更新制度へと変わって資本金の要件も緩和されました。一番新しい改正は2019年で、インターネット取引のルールが明確化されたりするなどで事業の運営がスムーズになりました。

改正される度に要件が緩和され、新規参入のハードルが下がり、小規模な事業主でも資金調達のバリエーションが増えて事業展開がしやすくなっています。とはいえ、投資家としてはさまざまな事業者が参入することも予見されるため、投資対象ごとにしっかりと見極めるスキルが大切になります。

不動産特定共同事業者の特徴

不動産特定共同事業者になるためには、宅地建物取引業免許を取得していることが要件に含まれているため、不動産特定共同事業者には通常の不動産取引を行っている不動産業者やディベロッパーが多いです。また、不動産会社のグループ会社としてファンドを立ち上げている事業者も存在します。

事業者の中には東証一部上場している企業から未上場の企業、全国展開している企業から地場企業までさまざまです。

また、不動産クラウドファンディングなどは大きく儲けを出すといった事業ではないといえるため、このようなサービスを提供している事業者は投資家と一体になって事業を進めていきたいという理念を持っているといえるでしょう。

ちなみに不動産特定共同事業は、不動産業というよりファンドの側面が強く、不動産業の延長で事業を始めると、想定していたより進めるのに難航することがあります。

不動産特定共同事業法の許可を受けるための要件

不動産特定共同事業を運営するには国土交通大臣や都道府県知事の許可が必要です。
許可をもらうためにはいくつかの要件を満たしていなければなりません。

不動産特定共同事業を運営するための要件は5つあります。

①資本金が必要な金額を満たしていること
②宅地建物取引業免許を受けていること
③良好な財産的基礎と適切に事業ができる人的資源を備えていること
④基準を満たす契約約款を備えていること
⑤事務所ごとに業務管理者を配置していること

上記要件を満たすことで、ようやく同事業を行うことが可能になります。

不動産特定共同事業者の種類

不動産特定共同事業者は4種類に分けられ、それらは資本金と定義がそれぞれ異なります。

(国土交通省「不動産特定共同事業(FTK)法の概要 」)

不動産クラウドファンディングとは


不動産特定共同事業の主なサービスが不動産クラウドファンディングです。不動産クラウドファンディングとは、不特定多数の投資希望者をインターネット上で募集し、投資家からの出資金で不動産投資を行い、運用で発生した収益を、出資した投資家に分配する新たな不動産投資手法の1つです。

基本的には1つの物件に対し1つの案件とし、専用のクラウドファンディングサイトで出資者を集めます。

不動産クラウドファンディングのメリット

不動産クラウドファンディングに投資するうえでの主なメリットは以下のようなものがあります。

・少額からの投資が可能
・手間がかからない
・出資額以上のリスクがかからない
・高利回りを期待できる
・投資家とのつながりができる

不動産クラウドファンディングは少額から出資することができ、ローリスクな特性を持つことから、現物不動産投資に比べ初心者でも安心して始めることができます。

また不動産クラウドファンディングでは同一物件に複数の投資家が出資をするため、投資家同士のコミュニティを広げることも可能です。不動産クラウドファンディングで不動産投資の基礎を固め、概要が掴めてきたら現物の不動産投資に挑戦するのも良いでしょう。

不動産クラウドファンディングの注意点

ここからは不動産クラウドファンディングを行う際に知っておきたい注意点について解説していきます。

まず不動産クラウドファンディングのリスクとして挙げられるのが、株式投資やREITと同じように元本保証がないという点です。運営会社が実際に運用をしてみて想定していた収益を得られなければ、分配金が下がったり、元本の一部が返ってこないということもあります。
更に運営会社が倒産してしまった場合は、元本が全て返ってこない可能性もあります。
そのため、運営会社の実績や取扱いファンド、手数料などは投資する前に複数社を比較し、投資先を決めるのがベターです。

また、不動産クラウドファンディングは近年人気が上昇しており、人気の案件は投資家からの申し込みが殺到することもあります。特に人気のファンドや募集金額が少ない案件は、クリック合戦となり、数分で募集を締め切ることも珍しくありません

人気の案件には人気になるだけの魅力があるということなので、確実に投資できるよう準備しておくのが望ましいでしょう。

最後に

ここまで不動産共同事業者や不動産特定共同事業法の種類や特徴、改正内容をはじめ、不動産クラウドファンディングのメリットや注意点について解説してきました。

近年、不動産特定共同事業者および同事業に関連するサービスは増加しています。不特法の改正によってこのようなサービスを起こすハードルが下がっている一方、母数が増えているため、投資家側は良い案件を見つけるのが難しくなるかもしれません。

不動産クラウドファンディングは、少額から気軽に始めることができますが、あくまで投資なので最低限のリサーチのうえ出資先を決めるのが望ましいといえるでしょう。

その他、不安なことや法律関係などでつまずきそうな場合は不動産投資アドバイザーやプロに相談すると安心です。特にビギナーの人は右腕になってくれるアドバイザーを見つけておくと、様々な相談ができますよ。

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