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新築ワンルームマンション投資は危険?不動産投資のメリットと失敗例

新築ワンルームマンション投資は危険?不動産投資のメリットと失敗例

新築ワンルームマンション投資が、新聞、雑誌、WEBサイトなどの広告欄に必ずと言っていいほど掲載されています。しかし、そこで謳われているメリットが実はデメリットであることを気づいている人は少ないです。購入した後になって「こんなはずではなかった……!」と後悔する人が多いのも事実なのです

そのような事態に陥らないために、この記事ではワンルームマンション投資のメリットと失敗例を紹介します。

合わせて読みたい: 中古ワンルームマンション投資のメリットと、失敗リスクを回避する方法

新築ワンルームマンションの不動産投資

不動産投資をする場合は様々な検討項目がありますが、その優先順位を間違ってはいけません。第一は立地、第二は購入価格・築年数、第三は利回りです。また将来において、売却することまで見据えた出口戦略も検討しておく必要があります。これらを総合的に検討した上での不動産投資が大切です。

新築ワンルームマンション投資の利益の出し方

利益を出す方法には、インカムゲインとキャピタルゲインがあります。分かりやすく言うと、インカムゲインは不動産投資の場合、毎月の家賃収入のことです。キャピタルゲインは、不動産の売却益のことです。現在の新築ワンルームマンション投資においては、キャピタルゲインでの利益確保は困難な状態です。インカムゲインで投資戦略を立てるのが現実的となります。

表面利回り・実質利回り・イールドギャップ

新築ワンルームマンションの場合、立地により購入価格や利回りに大きく差が出ます。とくに東京都23区内では、新築価格は3,000万円以上かかるのが一般的となりました。それに伴い表面利回り[*1]も3~35%と低くなり、実質利回り[*2]に至っては、ローンの金利とさほど変わらない状態です。したがって、実質利回りで算出されるイールドギャップ[*3]が非常に小さく、0に近い状態になっています。

[*1] 表面利回り = 満室賃料 ÷ 物件購入価格 × 100(%)
[*2] 実質利回り =(満室賃料―必要経費)÷(物件購入価格+購入時諸経費)× 100(%)
[*3] イールドギャップ = 実質利回り(%) ― ローン金利(%)

イールドギャップが何%以上あれば良いかという指標は、個別の物件ごとに条件が異なり、一概にはいえません。しかし2%を切る物件であれば、毎月の収支が0に近いかマイナスになるため、余程の事情がない限り避けた方が良いでしょう。

●事例①

東京都内の下記条件の新築ワンルームマンションを購入した場合の表面利回り、実質利回り、イールドギャップを算出してみましょう。

  • ・購入価格:3,000万円、購入時諸経費:120万円(購入価格の約4%)、自己資金:320万円
  • ・借入金額:2,800万円、金利:2%、借入期間:35年、借入返済額:111万円/年
  • ・家賃収入:12万円/月、144万円/年
  • ・必要経費:36万円/年(管理費、修繕積立金、火災保険料、固定資産税など、家賃収入の約25%)

表面利回り = 144万円 ÷ 3,000万円 × 100 = 4.8%
実質利回り =(144万円―36万円)÷(3,000万円+120万円)× 100 = 3.5%
イールドギャップ = 3.5% - 2.0% = 1.5%

ちなみにROI(投資収益率)も算出してみます。ROIの算出式は、実質利回りに借入返済額を加味したものです。ROIがマイナスになると収支もマイナスになります。損益分岐点を見極めるのに利用できる算出式です。

ROI=(満室賃料―必要経費―借入返済額)÷(物件購入価格+購入時諸経費)×100(%)

この事例でのROIを算すると、

ROI=(144万円―36万円―111万円)÷(3,000万円+120万円)= ―0.1%

となり、収支はマイナスです。1か月でも空室が出れば赤字額はさらに膨らみます。自己資金比率を高めるか、断念した方が賢明といえます。

新築ワンルームマンション投資が危険といわれる4つの理由

東京都内・政令指定都市をはじめとした都心部では、新築ワンルームマンション価格は高騰し続けています。土地仕入額の高騰、建設作業員不足による人件費の高騰・資材の高騰による建設費の高騰などが原因しています。

それだけワンルームマンション投資のリスクは高まり、失敗する事例も増えているのです。

不動産投資失敗の原因

ワンルームマンション投資で失敗する原因は、概ね以下の4つです。これらは、不動産営業マンが新築ワンルームマンション投資のメリットとして、初心者に対して説明する常套文句でもあります。

  • ①表面利回りだけを見て購入した→ 実質利回り、イールドギャップ、ROIまで考慮すべき
  • ②フルローン・オーバーローンで購入した→ ローン返済比率が高く危険な状態
  • ③購入時諸経費・必要経費を把握せず購入した→ 購入してから、赤字になることが判明
  • ④家賃保証を利用して購入した→ 高額な保証料により収支はさらに悪化

上記4項目は、新築ワンルームマンション投資が危険といわれる理由にもなります。以下で、それぞれの項目について解説します。

理由①表面利回りだけを見て購入した

事例①でも解説しましたが、表面利回りだけを見て購入判断をすると、収支が赤字のワンルームマンションを購入することになります。事例①の結果をまとめると下表の通りです。

利回り 計算結果 判断の目安
表面利回り 4.8% 5%以下は危険領域
実質利回り 3.5% 4%以下は危険領域
イールドギャップ 1.5% 2%以下は危険領域
ROI -0.1% 0%が損益分岐点

客に「預金金利よりもはるかに良いです」という謳い文句で表面利回りだけを提示してくる不動産営業マンがいます。知識が無いと、この文句に引っ掛かりがちです。検討すべきは、実質利回り・イールドギャップ・ROIまでです。

ROIを算出することにより、ワンルームマンション投資の損益分岐点がわかります。不動産営業マンのなかにも、イールドギャップやROIを知らない場合がありますので、注意が必要です。

理由②フルローン・オーバーローンで購入した

資産の裏付けがありいつでもローン返済できる人なら、フルローン・オーバーローンを利用しても問題はありません。資産の無い人が、フルローン・オーバーローンを利用すると、空室期間が長引けば、すぐにローン返済不可に陥る可能性があります。少なくとも20~30%位の自己資金を投入できなければ、新築ワンルームマンション投資は危険といえます。

●ローン返済率

ローン返済率は、家賃収入に対するローン返済額の割合です。自己資金割合を高めることはローン返済率を小さくし、キャッシュフローやROIの改善に寄与します。

ローン返済率 安全度合い
40%未満 優(安全)
40%~50% 良(注意)
50%~55% 可(警告)
55%以上 不可(危険)

●事例②

事例①の場合において、自己資金割合の違いによる各指標値の違いは下表の通りです。

自己資金割合 10% 20% 30% 40%
自己資金 320万円 620万円 920万円 1,220万円
借入金額 2,800万円 2,500万円 2,200万円 1,900万円
年間家賃収入 144万円
年間必要経費 36万円
ローン返済額 111万円 99万円 87万円 76万円
ローン返済率 77.1% 68.8% 60.4% 52.8%
表面利回り 4.8%
実質利回り 4.8%
ROI -0.1% 0.3% 0.7% 1.0%
キャッシュフロー(手残り額) -3万円 9万円 21万円 32万円

このワンルームマンションの場合、自己資金割合を40%投入して、ようやくローン返済率が52.8%です。ローン返済率の観点からは、このワンルームマンションの場合には自己資金を40%以上入れるか、断念した方が賢明といえます。

理由③購入時諸経費・必要経費を把握せず購入した

購入時に要する諸経費と、購入後毎年要する必要経費を事前に把握しておくことが大切です。これらを曖昧な状態で購入すると、後で赤字経営になることに気づきます。

購入時諸経費(購入時出費) 必要経費(毎年出費)
ローン手続費用 管理費(管理業務委託費)
修繕積立基金 修繕積立金(共用部分)
日常修繕費(専用部分)
売買仲介料(購入価格の3%+6万円)[*4] 賃貸仲介料(家賃の1~2か月分)[*5]
火災・損害保険料(一括払いの場合) 火災・損害保険料(毎年払いの場合)
不動産取得税・登録免許税・印紙税 固定資産税・都市計画税 [*6]
司法書士報酬(登記手続き) 税理士報酬(確認申請)[*7]
購入時諸経費の目安は、購入金額の3~5%
(売買仲介料が不要な場合)
必要経費の目安は、家賃の25%前後
(日常修繕費、賃貸仲介料、税理士報酬を除く)

[*4] 売買仲介料 仲介会社から購入した場合にかかります。開発会社から購入した場合は不要
[*5] 賃貸仲介料 入居者の退去時にかかります。
[*6] その他税金 必要経費の中に入りませんが、他に所得税・住民税・事業税がかかります。
[*7] 税理士報酬 確認申請を自ら行う場合は不要

理由④家賃保証を利用して購入した

家賃保証システムはワンルームマンション経営を家賃保証会社に丸投げする手法です。そのメリット・デメリットを下表にまとめます。

メリット デメリット
①空室リスク、家賃滞納リスクの解消
②入居者トラブルから回避
③建物・設備の不具合から回避
①高額な保証料(家賃収入の10~20%)が必要
②入居者選定不可
③契約更新時、家賃値下げ要求の可能性有
④マンション経営能力が育たない
⑤家賃保証会社と訴訟になる事例が多い

様々なリスクやトラブルから解消・回避できることがメリットです。デメリットは、高額の保証料を支払うと収支は悪化します。さらに所有者は入居者状況、住戸内の設備の不具合などを全く把握しない様になります。

所有者がワンルームマンション経営について何もわからない状態にしておくことで、家賃保証会社のしたいようにすることができます。それが家賃保証会社の狙い(本音)です。入居率が落ちてくると、契約更新時に家賃値下げを理由もなく要求してきます。

不要なリフォーム工事を要求してくることもあります。そうなると家賃保証会社との間でトラブルが生じ、最悪の場合には訴訟へと移ります

新築ワンルームマンションのメリット

新築ワンルームマンションの最大のメリットである修繕費用がかからない期間(約10年)を利用して対策を打つことができます。ここでは、「新築ワンルームマンション投資が向いている人」を中心にメリットについて触れていきます。

新築ワンルームマンション投資が向いている人

ワンルームマンション投資に向いている人は、概ね以下の3つです。戦略的に投資を考えられる人が向いているといえます。

  • ①長期投資として購入する人→ 含み資産を考慮している
  • ②節税(相続税)対策として購入する人→ 評価減を利用する
  • ③自主管理できる人

上記3項目は、新築ワンルームマンションのメリットにもなります。以下で、それぞれの項目について解説します。

長期投資として購入:含み資産を考慮

ワンルームマンションの評価は、購入して鍵を受け取り引き渡しが完了した時点で20~30%下落します。事例①のワンルームマンションの場合、購入時は3,000万円ですが、引渡し後には2,400万円以下の評価額となります。販売会社の経費が建物価格に20~30%上乗せしているからです。

また築年数が経過するとそこから徐々に評価は落ちていきます。よってキャピタルゲイン(売却益)を得ることは、好条件を備えたワンルームマンションでない限り困難です。

●含み資産

しかし、将来において売却した際につく価値(含み資産)とインカムゲイン(家賃収入)とを合わせて検討することにより、出口戦略の一つとすることができます。不動産投資の中で、ワンルームマンション投資は流動性が高い(売却しやすい)のがメリットです。その考え方を事例③で解説します。

●事例③

下記条件にて、将来の売却価格(含み資産)ならびに損益収支をシミュレーションします。

  • ・購入価格:3,000万円、購入時諸経費:120万円(購入価格の約4%)、総投資額:3,120万円
  • ・総投資額を全額自己資金で賄う
  • ・家賃収入:144万円/年(変動なし)
  • ・売却価格:1年目;購入価格の80%評価、3,000万円 × 80% = 2,400万円
          2年目以降1.5%(45万円)ずつ評価が下落

経過年数 年間家賃収入 a累計家賃収入 b売却価格 c初期総投資額 d売却時損益
d=a+b-c
1年 144万円 144万円 2,400万円 3,120万円 -576万円
2年 144万円 288万円 2,355万円 3,120万円 -477万円
3年 144万円 432万円 2,310万円 3,120万円 -378万円
4年 144万円 576万円 2,265万円 3,120万円 -279万円
5年 144万円 720万円 2,220万円 3,120万円 -180万円
6年 144万円 864万円 2,175万円 3,120万円 -81万円
7年 144万円 1,008万円 2,130万円 3,120万円 18万円
8年 144万円 1,152万円 2,085万円 3,120万円 117万円
9年 144万円 1,296万円 2,040万円 3,120万円 216万円
10年 144万円 1,440万円 1,995万円 3,120万円 315万円

7年目以降に売却時損益は、プラスとなります。ただし、必要経費・空室・家賃下落を加味すると、損益分岐点は、後年にずれこみます。しかし、立地によっては2年目以降の評価が落ちない場合もありますので、その際には損益分岐点は早くなります。このように長期投資として取り組むと、出口戦略も立てやすくなります

節税(相続税)対策として購入:資産のある人が対象

資産のある人にとって、また残される家族にとって、相続税対策は頭痛の種です。しかし、不動産投資を活用することにより、相続税を減額することができます。なかでもワンルームマンション投資は、相続税効果が大きくなるのがメリットです。詳しくは下記で解説します。相続税の計算式は下記の通りです。

相続税額 =(全財産評価額 - 基礎控除額)× 相続税率
基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人)

ここで、現金・預金・有価証券などは時価で評価されますが、不動産(土地、建物)は時価より下げられて評価されます。結果として、相続税を減額することができます

●土地評価額

土地は市街地の場合には、路線価方式で評価されます。地価公示価格の約80%の価格になります。その土地に賃貸物件が建つと、貸家建付地評価となり、土地評価額はさらに約20%(借地権割合×借家権割合)下がります。よって、トータルとして80%×80%=64%の評価になります。

●建物評価額

建物評価額は、固定資産税評価額が使われ、建築費の40%~50%の評価になります。さらに賃貸物件である場合、建物評価額は30%(借家兼割合)下がり、70%の評価となります。よって、40%~50%×70%=28%~35%の評価になります。建物評価額の下落が大きいため、ワンルームマンション投資のメリットになります。

●事例④

ある男性の資産が、現金で1億円あります。家族構成は妻と子ども2人で、法定相続人は3人です。相続税対策のために下記条件のワンルームマンションを現金で購入しました。この場合の相続税を解説します。

  • ・購入物件:RC造(鉄筋コンクリート造)1DK1戸
  • ・購入価格:3,000万円、購入時諸経費:120万円(購入価格の約4%)、総投資額:3,120万円
  • ・購入価格内訳:土地部分:1,000万円(持分割合)、建物部分:2,000万円
  • ・土地評価:路線価方式、借地権割合:60%、借家兼割合:30%
  • ・建物評価:固定資産税評価額:建物部分の50%
  • ・所有資産:現金1億円

なお、相続税の税率については、国税庁のWEBサイトを参照してください。[※1]

●事例④-1:現金で1億円を所有したまま相続となった場合

相続税 ={1億円―(3,000万円+3人×600万円)}×30%-700万円=860万円

●事例④-2:現金で3,000万円のワンルームマンション投資をした場合

       固定資産税評価額  借家兼割合減額
建物評価額 =(2,000万円×50%)×(100%-30%)=700万円

       路線価方式   貸家建付地(借地権割合×借家兼割合)減額
土地評価額 =1,000万円×80%×(100%-60%×30%)=656万円

          建物評価額  土地評価額
マンション評価額 = 700万円 + 656万円 = 1,356万円

残金 = 1億円 - 3,000万円 - 120万円 = 6,880万円

相続税評価額 = マンション評価額 + 残金 = 1,356万円 + 6,880万円 = 8,236万円

相続税 = {8,236万円―(3,000万円+3人×600万円)}×20%-200万円 = 487.2万円

よって、相続税が860万円から487.2万円に減額され、約43%減額することができます。

自主管理できる人

マンション投資の成功者は自主管理することにより、入居者とのコミュニケーションを大切にします。建物・設備の点検・確認を自ら行うことで、マンション経営能力を向上させます。新築ワンルームマンションの最大のメリットである修繕の手間や費用が掛からない期間を利用して、自主管理のノウハウを身に着けるように心がけるといいでしょう。 マンション経営の成功者(ブログを含めて)のなかには、家賃保証システムを採用している人はあまりいません。マンション経営を丸投げして、経営能力を培っていないオーナーは成功者とはいえないからです。

まとめ

新築ワンルームマンション投資は、利回りが小さい分リスクを伴う投資です。それだけに、購入価格の30%以上の自己資金を投入できる人におすすめといえるでしょう。また営業マンから提案された場合、逆に営業マンに対して相談するにしても、能力的に相談内容に応えられない営業マンが多いのも事実です。

新築ワンルームマンション投資をする場合は、コンサルタント機能を有する不動産会社の営業マンに相談するようにしましょう



[※1]「No.4155 相続税の税率」(平成31年4月1日現在)国税庁

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