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ワンルームマンション投資のメリットと「失敗する」「儲からない」と言われる理由

メリットを知るリスクに備える不動産投資中古マンション運用方法

ワンルームマンション投資のメリットと「失敗する」「儲からない」と言われる理由

不動産投資は、投資手法の中でも比較的安定した投資といわれています。特にワンルームマンション投資は、不動産投資を始めたいと思っている若者世代にも「取得価格が安価」などのメリットがあり、人気です。

しかし、始めやすいとされているワンルームマンション投資にも、当然ながら失敗するリスクが潜んでいます。今回は、ワンルームマンション投資の概要やメリット・デメリット、およびリスクへの対策などを事例などを用い、詳しく解説していきます。

合わせて読みたい: 新築ワンルームマンション投資は危険?不動産投資のメリットと失敗例

ワンルームマンション投資は儲からない?

「ワンルームマンション投資は、儲からないからやめとけ」といったような文言を、ウェブ上やSNSでよく見かけます。本当に儲からないのでしょうか?

ワンルームマンション投資は、一棟のアパートやマンションに投資するのに比べて、初期投資額が少ないため、初心者向きだといわれています。一方で、すぐに大きな儲けを出したいと考えている人には向いていません

ワンルームマンション投資は長期的な計画の中で、安定した利益を得ていくことを目的とするので、短期的に利益をあげたいと思ってる人にとっては、儲からないといえるかもしれません。

また、ワンルームマンションへの投資は一棟物件への投資に比べ、空室になった時のリスクが重いです。一棟物件は部屋が複数あるため、空室がでた場合に収入は減りますがゼロになることはありません。
一方で、ワンルームへの投資の場合、投資している部屋が空室になってしまうと、収入がゼロになってしまいます。収入がゼロになってしまうと、ローンの返済や維持管理費の支払いも困難になり、キャッシュフローが大幅にマイナスになる可能性もあります。

この空室リスクの重みを経験した人達が、「ワンルームマンション投資は儲からない」と感じ、世の中に発信しているのかもしれません。

しかし、物件購入前からリスク対策を入念にしておけば、このような空室リスクに備えることもできます。ワンルームマンション投資で儲かるか儲からないのは、投資をする人次第といえるでしょう。

ワンルームマンション投資とは

ワンルームマンション投資とは、字のごとくワンルームマンションの1室を投資物件として購入し、賃貸用物件として第三者に貸し出すことで家賃収入を得るという投資手法です。

ワンルームといっても「1つの部屋」という意味ではなく、居室にユニットバス、トイレ、キッチンがついている部屋のことです。

ワンルームマンションは家賃設定も安く、一人暮らしの学生や単身のサラリーマンからのニーズが高いです。

ワンルームマンション投資は得か損か

ワンルームマンション投資が得か損かは、目的により異なってくるといえるでしょう。

目的というのは、節税対策がしたいのか、不労収入が欲しいのか等が挙げられます。
得か損かと考えるよりも大事なことは、ワンルームマンション投資をするうえで明確な目標を持ち、その目標を達成するために最善の判断をしていくことです。

まずは、ワンルームマンション投資のメリットとデメリットを踏まえたうえで、自分の目的に合っているかを見定めるところから始めると良いでしょう。

ワンルームマンション投資のメリット・デメリット

まずはワンルームマンション投資のメリットからみていきましょう。
ワンルームマンション投資のメリットは、大きく3つ挙げられます。

  • ・資金が少なくても始められる
  • ・需要が安定している
  • ・節税効果が高い

●資金が少なくても始められる

ワンルームマンション投資は、少ない自己資金から始められます。というのもワンルームマンションは、投資にかかる諸経費が安価だからです。

不動産を取得する際には、仲介手数料やローン関係費用、登記関係などの諸費用がかかりますが、それらは物件価格と連動するので、物件価格が比較的安価なワンルームマンションは、諸費用も少額で済むのです。
また、審査が通ればフルローンでの購入も可能なので、自己資金に関する心配が少ないのは魅力の一つといえるでしょう。

ポイント

ワンルームマンションの供給数は減少傾向にある!?
都市圏を中心とした自治体では、ワンルームマンションを新築する時に色々な制限を設けていて、現在ワンルームマンションの建築を規制しています。たとえば、東京都豊島区では狭小住戸集合住宅税が設定されており、専有面積が30㎡未満の住戸(狭小住戸)に対して1戸につき50万円が課税されます(豊島区狭小住戸集合住宅税)。
たとえば、豊島区で30戸のマンションを建築する時に、その30戸が全て30㎡未満であれば1,500万円(50万円×30戸)の税金がかかるということです。このようなワンルームに関する条例を設けている自治体は多いので、近年では首都圏でのワンルームマンションの供給数は減少しています。
事実、長谷工総合研究所が国土交通省の「住宅着工統計」よりまとめた資料によると、2018年時点で30㎡未満の住宅着工数は3年連続で前年を下回っています。

●需要が安定している

都市部ではワンルームマンションのメインターゲットである「単身者」が、今後更に増加することが見込まれています。国立社会保障・人口問題研究所の資料によると、日本全体の人口は減少していくにも関わらず、単身者世帯はむしろ増加していくと予想されているのです(国立社会保障・人口問題研究所)。

そのため、ワンルームマンションの需要は、人口減であっても、都市部では維持されると考えられます。前項のように、ワンルームマンションの供給数が減少している中でも、需要はあるので、ワンルームマンションの賃貸需要は今後も高くなると予想できるでしょう。

●節税効果が高い

ワンルームマンションをはじめとした不動産投資は、節税効果の高い投資といわれています。
というのも、不動産投資は建物の取得費用を減価償却費用として計上できるので、「キャッシュフロー的には黒字なものの、会計上は赤字」という状態をつくりやすいからです。
会計上は赤字という状態になれば、給与所得からマイナス分を差し引くことができるので、その分「所得税」の節税につながるのです。

また、減価償却費用は建物の構造によって計上できる期間が変わります。大半のワンルームマンションは鉄筋コンクリート造であり、鉄筋コンクリート造は、減価償却費用の計上期間が長いため、長い期間「節税効果が高い」という恩恵を受けられるのです。

これらのようなメリットがある一方、ワンルームマンション投資には以下のようなデメリットもあります。

  • ・賃料下落と空室のリスクがある
  • ・流動性が低い

詳しく見ていきましょう。

●賃料下落と空室のリスクがある

中古のワンルームマンションには、建物老朽化による賃料下落と空室リスクがあります。これはどの不動産にも共通していることではありますが、「中古」だと新築よりも建物の老朽化に関して不透明な部分が多いです。

当初立てていた修繕計画通りに修繕していなかったり、修繕金が不足してたりするケースがあるからです。事実、国土交通省の資料(平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状)を見る限り、半数以上のマンションで現在の積立額が計画に比べて不足していると回答しています。

修繕金が不足しているということは、修繕金が増額するリスク、もしくは修繕されないリスクがあるので要注意です。特に中古のワンルームマンションを購入する場合には、物件であらかじめ策定されている長期修繕計画や、修繕計画の推移なども確認しておきましょう

●流動性が低い

不動産投資全般にいえることですが、不動産は以下の理由で流動性(売りやすさ)が低いです。

  • ・売買時の諸費用が高い
  • ・売買に伴い税金が発生するケースがある
  • ・売却するまでに期間がかかる

ただし、ワンルームマンションの流動性は比較的高いといえます。メリットでも説明したように、ワンルームマンションには今後も安定した需要が見込まれるので、買い手が付きやすいと予測できるからです。とはいえ、売却に時間がかかることは事実です。3ヶ月から半年くらい期間に余裕を持って売却することが大切です。

ワンルームマンション投資で失敗する理由


ここからは、ワンルームマンション投資の代表的な失敗理由、および注意点を見ていきましょう。どんな失敗例があるのか、どうすればリスクを回避できるのかを知っておくことは大切です。

ワンルームマンション投資の失敗談

①購入直後に設備の入れ替え費用が発生

1つ目の失敗例は、購入直後に設備入れ替え費用が発生したという例です。設備の故障に関しては、賃借人の故意・過失による故障でない限り、オーナーが修繕や設備入れ替え費用を負担します。

そして、設備の種類にもよりますが、設備の入れ替え費用は10万円単位の高額な費用になることが多いです。

対策として、築年数と修繕履歴に注意することを忘れないでおきましょう。国土交通省によると、設備関係の交換は築11年目を過ぎたあたりから推奨されています。そのため、特に築10年を超えている物件に関しては、設備の状態と過去の修繕歴には注意しなければいけません。

また、投資用物件は賃借人が入居している状態で購入することもあり、室内の確認ができないことが多々あります。そのため室内チェックができないかつ、築古で修繕履歴もない物件を購入する場合は、設備入れ替え費用が発生する前提で収支を組んだ方が安全でしょう。

需要が低い地方で投資してしまった

2つ目の失敗例は、需要が低い地方で投資してしまったという例です。もちろん、地方でのワンルームマンション投資は絶対に失敗するというわけではありません。不動産投資の上級者の中には、好んで地方のマンション経営を行う人もいたりします。
しかし前述した「中古ワンルームマンションの需要の高さ」はあくまで都市部の話なので、地方で投資する場合は今後の需要を見極める必要があります。

事実、総務省の人口推移総務省統計局 第2章 人口・世帯 2-2都道府県別人口と人口増減率)を見ると、東京を中心とした都市部では人口流入や単身者の増加が見込まれますが、そのほかの地域では基本的に人口は減少していきます。

そのため、地方で投資する場合は行政のサイトなどをよくチェックし、そのエリアでの需要を予測してから物件の購入を決断する必要があります。

リスクを考慮せずに収支シミュレーションをしてしまった

3つ目の失敗例は、リスクの可能性を考慮せずに収支シミュレーションしてしまった例です。ここでいうリスクとは、具体的に以下2つのリスクを指します。

  • ・空室リスク
  • ・家賃下落リスク

 

ワンルームマンションは比較的高い需要が見込まれるとはいえ、将来的に空室になるリスクや家賃が下落するリスクを見込んでおく必要があります。

空室リスクに関しては、完全に予測することはできませんが、エリア的にどのくらいの空室率を見込んでおけば良いのかを不動産会社にヒアリングして事前に調べておきましょう。

仮に、2年で1.5か月ほどの空室を見込んでおくのであれば、年間家賃収入を満室時から6.25%(1.5か月÷24か月)ほど下落させて収支計算しておく必要があります。

また、家賃下落リスクも不動産会社へヒアリングしつつ、周辺の賃貸物件の賃料を㎡単価で算出しておきましょう。仮に周辺で賃貸物件が多いのであれば、築年数別に㎡単価を並べてみると、おおよその家賃下落率が分かるでしょう。

もちろん、空室リスクと同じく、完全にリスクを予測することはできません。しかし、これらの情報を元に家賃の年間下落率を算出できれば、多少なりともリスクの発生に備えることができるでしょう。

ワンルームマンション投資で失敗しないために

ここまで、ワンルームマンション投資の失敗例を紹介してきました。どの失敗例にも共通していえることは、あらかじめデメリットやリスクを把握していれば、失敗を避けることができたかもしれないということです。

ワンルームマンション投資は初心者に向いていると説明しましたが、何の準備もせずに成功できるということではありません。リスクへの配慮や細かいシミュレーションを、苦とせずできる人であれば、ワンルームマンション投資で失敗する確率は大幅に下げられるでしょう。

ワンルームマンション投資で成功する人

ワンルームマンション投資で成功する人はどのような人なのでしょうか?
まず、長期的な視点で収益を見ることができる人は向いているといえます。繰り返しにはなりますが、ワンルームマンション投資は、すぐに大きく儲けたいという人には向いていません。

成功している人の多くが、成功の可否を判断する時期の目安としてローン返済完了時点を挙げています。つまり、物件を購入した直後にキャッシュフローがマイナスになっていたとしても、最終的にプラスになれば良いと考えているのです。

ワンルームマンション投資では、全てではないにしろ、あらゆる場面で過去の事例やデータに基づいて判断することで、リスクを避けることが可能です。
だからこそ、堅実な性格の人や細かいことに注意を払える人はそうでない人に比べて、成功する確率が高いといえるでしょう。

コロナ禍のワンルームマンション投資はあり?

コロナ禍にワンルームマンション投資を始めるのはありなのでしょうか。
コロナウイルスの影響により、株価や為替は大幅な下落を見せましたが、それと対照的に賃貸物件の賃料は安定しているといえます。

また、都心部のワンルームマンションは、単身者からの需要がコロナ禍でも高いため、空室率が大幅に上昇する可能性も低いといえます。

一方でファミリー向けのマンションは、コロナ回避を目的としたファミリー層の移動により、都市部で空室率が上がる可能性があるので注意が必要でしょう。

最後に

これまで説明してきたように、ワンルームマンション投資には、少ない資金で始められたり、今後の需要が見込めるというメリットがあります。一方で、想定外の支出が発生したり、空室リスク等によって赤字になりやすいなどのデメリットもあるので注意が必要です。

ワンルームマンション投資において、信頼できる不動産会社を選定して質の良い情報を得ることは大切です。

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