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不動産経営をするには何から学ぶべき?おすすめの財務三表について解説
アドバイザー不動産投資基礎を学ぶ
昨今、不動産経営は勤め先があるサラリーマンや、若い人でも手軽に始められる投資手法として人気を集めています。
一方で、何も知らない状態で不動産経営に手を出すのは危険だといえます。これは、他の投資においても同じことですが、不動産経営では特に、始める前に学んでおくべき項目が多いといえるでしょう。必須として持っておくべき知識の一つに財務会計についての知識があります。財務会計の中でも「財務三表」について理解しておくことは大切です。「財務三表」とは貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書の3つのことで、長年不動産投資を行っている人にとっては、常識といっても過言ではないでしょう。
当記事では、「不動産経営を始める前に学ぶべきこと」というテーマを中心に、財務三表がどのようなものであり、なぜ覚えておくべきなのかなどを解説していきます。不動産投資を行ううえで非常に重要なポイントなので、ぜひチェックしてみましょう。
記事INDEX
不動産経営とは?
不動産経営とは、投資用の不動産を購入し、それを第三者に貸し出すことで、家賃収入を得ていくことを指します。不動産経営は、賃貸経営や不動産投資とも呼びます。
経営できる不動産はマンションの一室から一棟のマンション、アパート、戸建て、商業テナントなどさまざまです。
初めに不動産を購入する必要があるので、費用はかかかりますが長期的に安定した収入を得ていくことができ、最終的には売却して利益を狙うこともできます(キャピタルゲイン)。ただし、キャピタルゲインを得るには不動産を購入した額より高い金額で売却する必要があります。
不動産経営をするまでの手順
次に不動産経営を始めるまでの手順について見ていきましょう。
1.不動産経営において必要な知識をつける
2.目標設定をする
3.資金計画を立てる
4.物件やエリアについての情報収集をする
5.不動産会社に問い合わせる
6.内覧や物件調査などを行い、物件を選定する
7.買付申込書を提出する
8.金融機関に融資の申し込みをする
9.売買契約を結ぶ
10.代金を支払い、物件の引き渡しを行う
11.委託先の管理会社を探す
12.入居者を募集する
11と12に関しては自主管理するという方法もありますが、日中忙しいような人は対応が難しいため、毎月一定の管理手数料を払って不動産管理会社に委託するのが一般的です。
不動産経営をする前に学ぶべきこと
不動産経営で失敗する理由の多くに、知識不足や情報不足が挙げられます。そのため、不動産経営をするうえで必要となる知識をあらかじめ持っていれば、失敗する可能性を下げることができるでしょう。
学ぶべき知識の中でも最も優先度が高いのが「不動産の知識」です。不動産経営をするうえで、不動産について勉強するのは大前提といえます。
物件やエリアの相場に関する知識はもちろんのこと、購入時や貸出時、売却時に必要な不動産に関する方の知識や、不動産を保有するうえで欠かせない税金の知識などについても勉強しておくべきでしょう。
また、「経営の知識」も不動産経営をする際には必要だといえます。
不動産経営は投資というより、事業としての側面が強く、経営者目線で考えられないと重要な判断が迫られた時などに失敗することがあります。
いくらの費用をかけ、いくら回収し、どれくらいの期間をかけてどれくらいの利益を得られるかという事業計画に似たようなものを作っておくと良いでしょう。
更に、不動産経営をするうえでカギとなるのが、「財務会計の知識」です。お金の流れが多数発生する不動産経営には、財務会計の知識が欠かせません。
不動産経営で大切な財務三表
不動産経営において、お金の流れを理解し把握することは非常に大切です。他の投資でももちろん大切ですが、マネーポイントが多くお金の動きが複雑化しやすい不動産経営では、特に細かな管理をする必要があるでしょう。
ここからは、財務会計の知識の中でも代表的な財務三表について解説していきます。
財務三表とは
財務三表とは、
- ・貸借対照表
- ・損益計算書
- ・キャッシュフロー計算書
上記の三つを指すものです。以下でそれぞれの意味について詳しく見ていきましょう。
「貸借対照表」
貸借対照表とは、資産と負債の状況を表したものです。
不動産経営はまさに人それぞれで、
- どのような物件をどれだけの資金で購入したのか
- 利益がどれくらいあるのか
- 残りのローンがどれくらいなのか
など、状況は人によって異なります。不動産経営に関連する資産や負債などの状況をまとめたものが、貸借対照表です。要は決算の時点で、土地や建物など資産に類するものや現金といった資産がどれだけあるのかと共に、ローンの残高等をまとめたものです。
「損益計算書」
損益計算書とは、年間の利益の額と、どのような形で利益を得たのかを明記したものです。不動産経営の場合の利益は、家賃収入がそれに該当します。
入居者が入っていた期間と、入居者から得た家賃収入から管理費等を差し引いた額が「純利益」となります。これらを可視化できる点こそ、損益計算書を作る大きな理由です。
「キャッシュフロー計算書」
キャッシュフロー計算書は、利益や支出など「お金の流れ」を把握するためのものです。
損益計算書が収益にフォーカスしたものであるのに対し、キャッシュフロー計算書は「お金の流れ」にフォーカスしたものです。
家賃収入を得た時期、設備の改築等でお金を掛けた時期など、額面はもちろんですが、お金の流れを追うことで年間を通してどのような形でお金が流れたのかを把握できます。
財務三表を覚えておくべき2つの理由
財務三表がどのようなものかはある程度把握できたでしょう。次に、不動産経営を行う際になぜ財務三表が大切なのか、その理由を解説していきます。
不動産経営はお金の流れが盛ん
不動産経営は基本的に家賃収入にて利益を得るものです。理屈としてはシンプルですが、お金の流れという点では決してシンプルとは言い切れません。
そもそも、まずは不動産を取得しなければなりませんし、入居者を募るためには不動産業者に依頼しなければなりません。
また、劣化している部分があれば補修等も必要になり、経費が必要になります。
これらの流れを正しく把握することが、財務三表の目的の一つです。
不動産経営の状況が即座に分かる
財務三表は、いわば「自分の不動産経営の状況を客観的に表したもの」です。
利益になっているのか、それともなっていないのかは、表にしてみることで一目瞭然になりなり、その「結果」を見て現状を把握することができます。
例えば、それなりに家賃収入があるのに利益が少ない場合、設備の費用、あるいはローンの金利が高いことが考えられます。入居者がいなければ利益にはなりませんが、家賃設定が適切ではなければ利益になりません。
このように、財務三表を確認することで、自分自身の不動産経営を客観的に理解し、改善点を発見するのに役立ちます。
財務三表の作成が難しい時は
財務三表をいざ作成しようと思ってもよく分からなかったり、作ったものの、何をどう判断すれば良いのか分からないという人も少なくないでしょう。自分で調べても分からないこと、あるいは何をすべきなのか分からない場合は、プロの専門家に相談してみましょう。
財務三表を作るのが面倒だという人も、プロの専門家に作成してもらい、アドバイスをもらうことで、自分自身の不動産経営の問題点や目標などが明確化することでしょう。
不動産投資アドバイザーは、専門的な知識を持っているだけではなく、ノウハウも豊富なので、顧客それぞれのライフプランや展望に沿った提案をしてくれます。
財務三表を通して、自分自身の不動産経営の現状や改善点、踏み込んだ出口戦略までアドバイスしてくれるので信頼できるアドバイザーを味方につけておきましょう。
最後に
ここまで不動産経営を始める際に何から学ぶべきかというテーマを中心に、身につくておきたい知識や財務三表についても紹介しました。
不動産経営を始める際には不動産の知識はもちろんのこと、経営や財務会計の知識も必要となってきます。特に財務会計の知識として、貸借対照表、キャッシュフロー計算書、損益計算書の「財務三表」について理解しておくことはとても大切です。
財務三表はより良い不動産経営のための指針となるものです。まずはその意味を理解し、実際に使いこなせるようになることを目標とすると良いでしょう。