元橋 悦明

銀行によって「融資得意エリア、物件」は違う!不動産物件と銀行融資のリアルな関係性

ご夫婦相談◎丁寧不動産投資初心者の方にオススメ実録押しが弱く優しい物件融資融資条件銀行

元橋 悦明

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- 得意な提案スタイル

知識豊富な方へのより深い情報提供

不動産投資を検討している人のなかに「自分の好きなエリア・物件を自由に選びたい」と思っている人も多いそうですが、現実的には選り取り見取りで選べるわけではないようです。

なぜ、好きなようにチョイスできないのか、中古ワンルームマンションの物件は限られているのか、そして、銀行融資に隠された"あるポイント"について伺いました。

不動産投資物件を好きに選び放題できない理由

―不動産投資を検討する際、自分が好きなエリアや物件を自由に選び放題……というワケにはいかないと耳にしましたが、実際のところどうなのでしょうか

元橋さん

そうですね、選り取り見取りの選びたい放題!……というワケには、残念ながらいかない場合が多いです。そもそも中古ワンルームマンションというのは新築とは違って「価格」「立地」「品質」すべてがオンリーワンの物件が多いです。それを踏まえたうえで、弊社がご提案できるための必要な条件を満たしている優良物件はやはり限られています。

お好みだけで選ばれてしまうと、将来的に運用がうまくいかないというケースももちろんありますから、そこは私たちがきちんとお伝えしていく部分です。

また、見落としがちなのが銀行の"融資条件"です。たとえば、お客様が自由に物件やエリアを選べたとして、アドバイザーも押せ押せできちんとアドバイスしない場合、お客様はもうその物件、エリアがいい、という気持ちになっています。そこで融資が通らなかった時、別の物件を検討してもらうのは大変ですし、お客様のお気持ちから考えても良くありません。

不動産投資アドバイザーとしては、数多くの物件をご紹介するというよりは、お客様にとってベストな物件を一緒に選び抜いてお客様にきちんと納得、安心していただくことが大切だと思っています。

銀行によって融資の可能性が違う!リアルな融資条件とスコアリング

―銀行の融資条件という話が出てきましたが、実際に銀行の融資条件にはどのようなものがあるのでしょうか。今まででどんな実例がありましたか?

元橋さん

一般的に銀行は年収400~500万円のお客様が、融資条件を満たした物件に投資する案件には協力的に支援してくれます。融資にはスコアリングという審査が行われます。銀行によって定められた項目を元に、融資できるかどうかの判断を行うわけです。スコアリングの項目は、お客様についても物件についても、銀行によって細かい融資条件が設定されています。なので、A銀行は融資OKでもB銀行は融資してくれない、というようなケースがよくあります。

不動産投資への融資をやっている銀行は何十社とありますが、銀行間の融資条件はみな同じではないんです。

たとえば、A銀行は30代への融資しかやらない/B銀行は20代から融資する/C銀行は20代のなかでも25歳以降しか融資しない/D銀行は50代になったら融資しない……などなど、銀行によってその条件設定はまちまちです。

このほかにも、銀行によっては、勤務先が上場している/大卒以上/勤務歴重視/職種や資格の有無などの細かい融資条件がつく場合もあるようです。

不動産投資アドバイザーはお客様のお話を聞きながら「このお客様ならA銀行かB銀行からの融資だな」「C銀行は難しくてもD銀行なら融資がおりそうだ」など、ざっと当てをつけていきます。そして、お客さまとお話をした後にもう一度、銀行に確認を取って融資が可能かどうかの確度をあげていきます。

銀行によって金利も違います。額の大きい融資の場合は金利も非常に重要です。なので、融資してくれればどこでもいい、というワケでもないのです。

「お客様、物件、融資条件、相性」。トータルマッチングさせることが、ベストな不動産投資物件を選ぶキーポイント

―確かに、どんなに希望する物件があっても融資がおりなければ始まりませんよね。銀行によって細かく融資条件が決まっているとのことですが、銀行側が協力的になりやすい物件やエリアなどはあるのでしょうか

元橋さん

もちろん、あります。「令和の不動産投資業界はどうなる? 変わりゆく不動産投資家層と、柔軟になった銀行融資のからくり」でもお話ししましたが、時代の流れにともなって銀行の融資条件の設定も都度、改変されていきます。現在は若い世代でも融資がおりやすくなった分、物件やエリアを重視している銀行が多くなっています

A銀行は新宿区内の物件にお金を工面するが、B銀行は新宿エリアは対応しない、C銀行は人気エリア以外でも融資可能だがD銀行は人気エリア以外は腰が重い、といった事例がたくさんありました。よって、お客様自身の融資条件とは別に、選ぶ物件によっても融資銀行が変わるのです。

たとえばA銀行での融資を受けられるお客様が、A銀行で融資してくれる物件では気に入らなくて、B銀行が融資してくれるこっちの物件がいい、となったケースがありました。融資銀行が変わったため物件の融資は通りましたが、お客様自身の融資条件が合わなくて融資不可となり、再度別の物件を探す……ということも実際にあるんです。

ほかにも

・この物件は頭金が必要
・これは金利が低い物件
・このエリアならあの銀行が強い
・この属性なら融資可能な銀行の幅が広がる

など、物件と銀行のあらゆる設定をアドバイザーは理解していないといけません。こういった項目をお客様の希望に上手くマッチングさせるのも、アドバイザーの力量です。銀行の融資は千差万別ですから、ご提案させていただくときには「お客様」「物件」「融資条件」「相性」をトータルでマッチングさせて、よりお客様がベストな選択ができる物件をご提案しています

とてもスキルが必要なことなので、一口に提案といっても難しいのです。しかし、これが理解できていないアドバイザーは本当にお客様のためになるアドバイスはできないと心から思っています。

編集部まとめ

複雑に絡み合う項目や条件のなかで、お客様の希望により近づく提案をするには相当な経験やスキルが必要だと実感したお話でした。アドバイザーを選ぶときは、相性の良さはもちろん、きちんと上記を理解したうえで話をしてくれているのかを見極める必要もありそうです。

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元橋 悦明

不動産投資の成功・失敗はパートナーの良し悪しで変わります。一つひとつの不安を解消し、「この人だから買った」と言われるアドバイザーを目指しています。

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