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不動産投資のローン審査に通りたい!審査内容と融資額を増やす5つの方法

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不動産投資のローン審査に通りたい!審査内容と融資額を増やす5つの方法

不動産投資を行う際にほとんどの人が、不動産投資ローンを利用することでしょう。
ただし不動産投資ローンを組むためには、金融機関が行う審査に通らなければなりません。

記憶に新しい「かぼちゃの馬車事件」などの影響もあり、不動産投資ローンの審査は年々厳しくなっているといっても過言ではありません。融資に通る可能性を少しでも高くするためには、属性評価を高めるための努力や工夫が必要です。

この記事では、不動産投資ローンにおける基礎的な内容から、審査基準の項目や融資額を少しでも増やすために行うことについて解説していきます。不動産投資ローンを利用して、不動産投資を行おうと考えている人はぜひ、参考にしてください。

不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、不動産投資(賃貸経営)を目的とした物件の購入をする時に、金融機関から受けることのできる融資のことです。

不動産を購入するためのローンという点では、住宅ローンと同じですが、これら二つは似て非なるものです。

住宅ローンは、自分や家族が居住することを目的として物件を購入する際に使えるローンですが、不動産投資ローンは他者に不動産を貸し出し、収益を上げることを目的としている際に使えるローンです。

たとえば、収益用に物件を購入しようとしているのであれば、住宅ローンをりようすることはできませんし、その逆も同じです。

この二つのローンは不動産の使用目的が異なるため、審査基準や審査対象も異なります。

アパートローンとプロパーローン

不動産投資を目的とした物件の購入時に利用できるのは、主にアパートローンとプロパーローンの二つです。

それぞれの特徴を見ていきましょう。

まず、アパートローンは個人向けにパッケージ化されたローンであり、個人で不動産投資を行う場合、ほとんどの人がアパートローンを利用します。

アパートローンは定められている融資条件を満たせば、比較的早く融資を受けることができます。あらかじめ、審査項目や審査基準が決まっているので審査の結果も早く出ます。

ただし、アパートローンは金融機関やサービスごとにパッケージ化されているため、融資金額に上限があるという点がデメリットといえます。

一方で、プロパーローンは主に事業者向けのローンであり、不動産投資目的以外でも利用できます。

プロパーローンは融資先に合った融資条件を個別にオーダーメイドしてくれるといった特徴があり、アパートローンのようにパッケージ化された条件で融資をするわけではないので、融資金額の上限などは決まってないことが多いです。

つまり、プロパーローンの場合、事業の収益性が高ければ高いほど、それだけ好条件で融資を受けることができるということです。

ただし、プロパーローンは保証会社を介していないため、金融機関側が貸し倒れになるリスクが高いという側面があります。そのため審査は厳しく、結果が出るまでに時間を要します

さらに、プロパーローンを利用数するためには、ある程度の自己資金が必要である場合がほとんどです。

個人でもプロパーローンを利用することはできますが、アパートローンよりも審査に通るハードルは高いといえるでしょう。

不動産投資ローンのメリット

不動産投資ローンを利用することで得られるメリットは主に二つです。

一つ目は、高いレバレッジ効果を発揮できる可能性がある点です。レバレッジとはてこを意味する言葉であり、不動産投資におけるレバレッジ効果とは、小さな資金で大きな収益を得ることを指します。

不動産投資は他の投資よりも、レバレッジ効果が高いとされており、自己資金が少なくとも不動産投資ローンを使って収益用不動産を獲得できれば、自己資金の数倍にも及ぶ利益を出せる可能性があるのです。

二つ目のメリットは自己資金を手元に残せるという点です。

不動産投資ローンを利用すれば、自己資金をある程度残した状態で物件を購入することができ、余裕を持った運用ができるでしょう。

特に不動産投資では、空室リスクや修繕などで急な出費が発生することも多いので、不測の事態に備えるといった意味でも、自己資金は手元に残しておいた方が望ましいです。

不動産投資ローンの審査基準

上述した通り、不動産投資ローンは住宅ローンとは審査基準と審査項目が異なります。
不動産投資ローンの審査では借主自身の属性だけでなく、購入する物件の収益性も見られます。

個人の属性

個人の属性については、不動産投資ローンに限らずさまざまな融資で審査される項目です。不動産投資ローンの審査対象となる個人の属性には以下のようなものがあります。

・雇用形態
・年収
・勤務先
・勤務先での役職
・勤続年数
・年齢
・家族構成
・現在の借り入れ状況
・信用情報

これらの項目から総合的に個人の属性が審査されます。

この中でも特に現在の借り入れ状況と信用情報には注意すべきです。現在、住宅ローンやマイカーローンなどを利用していて、収支に余裕がないと判断された場合、融資が厳しくなることがあります。

また、過去にクレジットカードの支払いで遅延や滞納がなかったかなどの信用情報もチェックされます。信用情報が芳しくない場合、融資する側の金融会社にリスクが伴うため、このような属性を持つ人は不動産投資ローンの利用が難しくなるでしょう。

物件の収益性

不動産投資ローンは、不動産を利用して収益をあげることを目的としている人に貸し出すものです。そのため、その不動産にどれくらい担保価値と収益性があるのかという点も審査対象となっています。

不動産については、以下のような項目から審査がなされます。

・公示地価
・路線価
・固定資産税評価額
・中古か新築か
・不動産種別
・耐用年数
・実質利回り
・建物構造
・立地条件

注意しておきたいのは、不動産の販売価格が高ければ、必ずしも不動産の価値も高いというわけではないということです。物件を選定する際に、エリアの相場や物件のポテンシャルを参考にして、自分が買おうとしている物件は、適正な販売価格なのかを見極めることが大切です。

不動産投資ローンの審査に必要な書類

不動産投資ローンの審査を受ける際に必要な書類を紹介します。

・物件概要書
・賃料想定表
・不動産登記簿謄本
・売買契約書
・重要事項説明書
・公図
・住宅地図
・販売図面
・建物図面
・建築確認済証
・賃貸借契約書
・物件取得関連費用概算表
・固定資産税評価証明書
・源泉徴収票もしくは確定申告書
・写真入り身分証明書
・住民票、健康保険証、印鑑登録証明書
・納税証明書
・支払通帳
・勤務先の会社概要、職歴書
・保有資産一覧

金融会社によっては必要のないもの、上記には記載がないが必要なものもあるので、審査前に確認をしてください。

融資額を増やす5つの方法

通帳を見て喜ぶ男性

今の自分の属性だと必要な融資額に届かないなんてこともあるでしょう。このような事態のために、あらかじめ対策をしておくことは可能です。

属性を上げるためには

  • ①年収
  • ②勤務先
  • ③貯蓄
  • ④経験
  • ⑤紹介

この5つを見直すことが大切です。

「属性」は借りる人の「信用の尺度」

属性とは、いわば借りる人の「信用」の尺度のことです

借り手の信用が高ければ返済の見込みがあるため、金融機関もスムーズに融資できるよう低い金利を設定してくれます。しかし信用が低い人には、高い金利でしか融資をしてくれないという場合がほとんどです。また、属性が悪い場合は融資審査に通らずローンが組めないというケースもよくあります

審査に通ることはもちろん、好条件で融資を受けるためには、自らの属性を良い方向に向ける努力が大切です。

年収

まずは年収です。基本的には直近三年程度の収入をもとに審査されます。返済能力を確認するために、いくら収入があってどれだけの税金を納めているのかなどの確認がされます。

高収入であればあるほど、ゆとりある返済計画が立てやすいため、融資額も多く設定してもらえる場合がほとんどです。

逆に年収が低ければ融資額もその分低くなり、希望する額に届かないケースも多々あります。

昇進や転職などで年収を上げる努力はもちろん必要ですが、属性を上げるには納税の実績も大切です。

源泉徴収票や確定申告書、納税証明書を銀行に提出することになるのですが、その際には納税額が多く、右肩上がりのほうが望ましいとされます。より多額の融資を受けたいなら、あえて節税をせずに多めに税金を払うことを意識しておくとよいでしょう。

勤務先

勤務先の項目では「職業」や「肩書」「勤続年数」などが属性として高く評価されるポイントです。

公務員や一部上場企業に務めるサラリーマン、弁護士、医師といった士業など、安定感のある職業のほうが評価は高くなります。 また、資格職も優位です。

たとえ中小企業であっても、安定した収入と勤続年数があれば評価は高くなります

逆に転職したばかりで勤務実績が少ないと、融資は厳しくなるので、不動産投資の属性を上げるのであればキャリアプランについては慎重に考える必要があるでしょう。

貯蓄

貯蓄額も重要です。年収と年齢に応じた蓄財ができているかも属性として評価されるからです。

貯蓄額を見られる場合、総資産額ではなく、あくまでも年収や年齢に応じて多いか少ないかということです。融資を受ける前は意識してなるべく多く貯蓄するようにしましょう。

経験

これまでの支払いに関する経験や実績も評価の対象となります。

クレジットカードやスマホの分割払いを遅延なく支払いできているか、信用情報が綺麗に積み重ねられているかなどが確認されます。

また、不動産投資の経験も属性として評価されることもあります。

不動産投資経験者は高く評価されます。持っている物件の内容も見られるので、積極的に不動産投資のポートフォリオ(実績)を作ることで属性が高くなります。

紹介

紹介者の有無によっても属性は変動します。

紹介者の質はもちろんですが、今まで取引実績がある相手であれば信頼度は高くなります。極力不動産会社などから紹介を受ける、可能であれば信用のある不動産仲間を作って融資の紹介を頼むと良いでしょう。

個人の属性を下げないために注意する点

属性をいきなり上げるのは難しいので、下げないようにすることが大切です。属性を下げないためには特に「浪費」と「節税」を控える必要があります

不動産投資を始める際には、ある程度余剰金を準備しておかなくてはいけません。ローンや頭金なしを選択したとしても、その他細々した必要経費が発生します。

自由に浪費していたら、余剰金はなかなか貯められません。また、審査でも収入に相応した資産額を持っているかどうかが評価されます。

収入と資産額のバランスが評価されるということを意識しておいてください。

たとえば、年収500万円の人が10年かけてコツコツと貯めた1000万円の貯金があれば「堅実な人」と評価されますが、反対に年収1000万円なのに、10年で培った資産が1000万円ほどしかなければ「浪費する人」だと思われてしまいます。

また、毎月の支出を少なくするという工夫も必要です。毎月の預貯金額もチェックされるので、いくら資産や収入が多くても支出が多ければ「浪費する人」と判断され、融資審査が不利になります。

もちろん、負債を増やさないことも重要です。住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなど資産とのバランスを見て、借りすぎていないかがチェックされるので気をつけましょう。

節税の面ではどうでしょうか。少しでも節税したいという思いは誰しもが同じですが、不動産投資の融資においては節税のしすぎはマイナスに働くこともあります。

特に、自営業者の場合は収入が不安定とみなされているため、節税をしているとさらに不利になってしまいます。

経費を多く計上して黒字をできるだけ少なくしたり、わざと赤字にしたりすると銀行の評価はどうしても低くなります。

自営業者の場合は過去三年分は納税部分を見られるので、融資を受けるまでは黒字を多く計上し、税金を多めに支払うようにしましょう。

最後に

今回は不動産投資ローンの基礎的な知識から、審査基準、融資額を増やすためのポイントなどについて解説してきました。

多くの人にとって、不動産投資ローンは不動産投資を行ううえで欠かせないものです。融資の審査に通るには、時間をかけて「属性」を高くする必要があります。

「属性」は小さな工夫を重ね、日々の心がけや長期的な視野で育てていくものです。既に属性が良い人は今すぐ不動産投資にチャレンジできますが、属性に自信がない人は、まず属性の向上を目指していきましょう。

属性を高くすることができれば、よりよい条件で融資を引き出すことができ、不動産投資も有利になるので、積極的に挑戦しましょう。

また、現在のライフスタイル(収支)の見直しはもちろん、融資に強い不動産投資会社のアドバイザーにアドバイスをもらいながら、確実に融資を勝ち取る取り組みの方法を教えてもらうのも有効です。

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